大阪・西の丸庭園でやっている「平成中村座」。
今は亡き、十八世中村勘三郎が「江戸時代の芝居小屋を復活させ、多くの方々に歌舞伎を楽しんでいただきたい」と、2000年に東京・浅草で具現化したもの。
その「平成中村座」が大阪でも観られると、行ってきました。
当日はあいにくの雨。庭園のぬかるんだ道を行くと、突如現れる芝居小屋。わぁ、思わず声が出る。仮設やからどんなもんやろ、という思いで、中に入ると、こじんまりしていながらもしっかりとした小屋。大きな提灯も出迎えてくれる。



夜の部に行ったので、演目は
平家女護島 俊寛 一幕 と
谷崎潤一郎の小説 盲目物語 三幕

正直、仮設やから舞台装置はそんなに期待していなかった。しかし、常設の舞台と同じく、それ以上に舞台装置がよかった。
最初の 俊寛 の最後、俊寛がひとり島に残され船を見送る場面。波の様子、島から俊寛が見送る様子など圧巻。中村橋之助もよかったなあ。

そして盲目物語。盲目の弥市と秀吉を十七世中村勘三郎が二役努めていた。早変わりもすばらしいし、これまた舞台装置も回り舞台もあり、こじんまりした芝居小屋を城の中に見立てた演出も一体感があってよかった。

勘三郎さんが亡きお父さんに似てきたなあ。

よかった。やっぱり歌舞伎良いなあ。また行きたい。

帰りに見た、少しもやっている大阪城も風情があってこれまたよかった。