買った本が偶然にも男と女の本音が書かれていて、対象的でした。
ひとつは女性の本音が書かれた「もしも、あと少し、幸せになれるとしたら。」で、もうひとつは男性の本音が書かれた「マドンナ」。
「もしも、・・・」は、「今年中に絶対結婚してやる」と合コンにあけくれる29歳OL真樹、家庭生活に安住しつつも”自己実現”を目指す専業主婦34歳佳乃、図らずもバリバリ出世の道を歩んでしまうキャリアウーマン39歳めぐみ、経営するショップの売り上げ不振で岐路に立たされるバツイチ45歳治子を足裏マッサージ店長を通して描かれている。それぞれが他人の幸せをみつつも、どこかで私はこれでは終わらないと、もがき頑張っている。その本音が自分を見ているみたいでものすごく嫌で、ものすごく愛おしい。皆に共通しているのは、もっと幸せになりたい、現状に満足していないということ。でも、頑張って生きているそれぞれ4人は、きっと幸せだから、あと少し幸せになりたいと思うんだろうなあ。
「マドンナ」は、専業主婦の妻と子供がいるごく一般的な幸せな家庭だと思える40代の課長クラスの男性の本音が書かれている。40代、そう私と同じくらいの男性がどのようなことを考え、また悩み、頑張っているのか、が本書で見え隠れして楽しい。
部下に恋もするし、出世に興味がなく自由奔放に生きている同期を少し軽蔑しながらも羨ましく思っていたり、外国帰りの女性の上司に反発したり・・・課長だって部長だって同じ人間、そして男性であるから、そりゃそうだなあと思いながら一気に読破。
時には苦笑い、時にはちょっと憤慨、そしてすこ~し涙も出てきそうなところも。結構、自分に置き換えてみることもできる本書です。
この2冊は、一日一日を一生懸命に生きている等身大の本音が出てきますよ。
もしも、あと少し、幸せになれるとしたら。
桂 望実 著
朝日文庫
マドンナ
奥田英郎 著
講談社文庫