軍師・・・軍を指揮する君主や将軍のブレインとなり戦略を練ったり、指揮を助ける者、である。有名な軍師と言えば、昨年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の主人公、黒田官兵衛、同じく竹中半兵衛。本書は「雑賀の舟鉄砲」「女は遊べ物語」「一夜官女」そして「軍師二人」など八編が収められている。
「軍師二人」は、真田幸村と後藤又兵衛の二人を描いている。どこの世界・世でも、上のことしか見ていない幹部によりせっかくの戦略が無になる。その葛藤と互いの深い洞察が読んでいて、臨場感があふれんばかりだった。その臨場感より電車で読んでいると、二人の葛藤にかなりイライラした。その他は、ちょっと艶っぽい話も多く、大人の歴史小説だった。

司馬遼太郎の本は「竜馬がゆく」などいろいろ読んでいたが、このような短編も書かれている。

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講談社文庫