久しぶりの読書感想文です。でも、本を読んでいなかった訳でなく、子供のときからある歴史上の人物に興味があり、その人物を深く知るために関連本ばかりを読んでました。人物の長短、陰日向いろいろ見えてきてものすごくおもしろいのですが、電車の中とかは、どうしても・・・なので、久しぶりに軽いタッチのものを読んでみました。

 

梅田のBOOK FIRSTでオススメ本として紹介されていたのがコレ。有川浩さんの「植物図鑑」。

今の季節に読むのにぴったり!ほんと、オススメ本です。

それは・・・物語に山菜とかがいっぱい出てくるのです。それも、結構身近にありそうなものばかり。そして、それらを調理するところまでが。これが真冬だったり真夏だったりすると、山菜とかが物語上のものでしたかなかっただろうなあ。

 

物語はある日、自宅のマンション前でひょんなことから拾ってしまったさやかとイケメンの同居から始まります。そのイケメンは家事が万能のスーパー家政夫だった上に、ものすごい植物に詳しい人だったのです。今まで自炊せずコンビニ弁当や外食で済ませていたさやかは、このイケメン、樹(いつき)に誘われるまま週末毎に町の外れや川っぺりに出掛け、食べられる植物を採取します。採取したものは樹がそれはそれはおいしい(おいしそう)なものに料理してくれるのです。(読んでいて、食べたくなりました)しかし、夏も終わり、秋に入る頃、ふと樹がいなくなってしまうのです。樹が忘れられないさやかは、樹が残してくれた料理ノートを片手に今まで見向きもしなかった料理に挑戦してゆきます。そして、樹と出会った季節が巡ってきた頃・・・

 

びっくりするくらいおいしそうなこの本。巻末には料理レシピが付いているので、やってみたいと思わせるのもこの本の魅力。しかも、今の季節、食材は身近などこかにあるのです。カンタンなセリのごはんでも作ってみたいと思わせ、そしてさやかと樹の恋愛の行方も心の中をあったかくさせる本でした。

 

「植物図鑑」 

幻冬舎文庫 

著者:有川浩