私が本を選ぶときは、だいたい本屋で、ジャンル、作家など問わずぶらぶらして、裏表紙を見て興味をひいたら買う。だから今回も「不甲斐ない彼氏と理不尽な職場を捨て、一人旅に出た弥生は・・・」に興味を惹かれ購入。しかし、ちょっと読んだところで、どっかで見たことのあるストーリー? 著者は、道尾秀介さん。う~ん。読んだことないと思うんやけどなあ・・・。あ、そうか。以前(2010年)、月9枠でやっていた木村拓哉と篠原涼子のドラマ。登場人物もストーリーも違うが、あとがきでは著者が、「どちらが本当のいうわけではありません。同じタイトルの二つのドラマとして二倍楽しんでもらえたら・・・」と書かれてました。ドラマ制作と執筆が同時進行という珍しい形式をとっていたという。
で、本の方。冷徹にビジネスを成功させる青年社長・葉月蓮介が、夜の上海で巡り合った女椋森弥生。弥生は、彼女のお金を使い込むほどのダメ彼氏をぶんなぐって別れ、契約社員であった仕事も正社員から責任を擦り付けられ、何もかも嫌になり日本を脱出した。ありえない二人の物語は、美貌の中国人モデルや、部下の社員らを巻き込み予測不能の展開に…。ときには人間不審になりつつ、でもやっぱり人のぬくもりを求め、そして本当に愛する人と結ばれる。最後は、こうあって欲しいというハッピーエンドで収まってくれたが、あまりにも最後の展開がそのままだったので、ちょっと消化不良か?でも、変な終わり方になったらそれはそれで、寝つきが悪いか・・・。
ちなみに著者の道尾さんは、読売新聞の夕刊で連載していた「笑うハーレキン」を書かれていたそう。ふ~んそうやったんや。時々読んでいたけど、しらんかった・・・。
新潮文庫
月の恋人
著者:道尾秀介