前から読みたいと思っていた万城目学さんの「プリンセス・トヨトミ」を読み終えました。大阪が大好きな私にとってつくづく・・・「大阪人でよかった・・・と思える本」でした。

昨年映画化もされたのですが、先に原作を読みたいと思っていました。大阪人としては、見知った場所が登場し、さらに豊臣秀吉贔屓であれば共感するところが満載。思いっきり楽しめ、最後にホロリとさせられます。今から四百年程前、豊臣家は徳川家康によって滅ぼされます。町人が中心であった大阪では、戦後の徳川のやり方に憤然とし、子孫を絶やされた豊臣家に同情したことから「大阪国」の基礎が築かれていくのです。実は、豊臣の末裔を匿い、そのヒミツを脈々と受け継いでいたのです・・・。しかし、東京から乗り込んで来た会計検査院の調査官たちがその歴史を明らかにし、修正しようと「大阪国」に接触してきます。大阪の機能を全停止させ、えらいことになっていくのですが、全ては末裔を守るため。大阪人の気質が活き活きと描かれています。

 

巻末の「なんだ坂、こんな坂、ときどき大阪」は、大阪(それも空堀商店街近く)出身の著者の大阪への思いがこもったエッセーで、幼なじみと話しをしているような感じで楽しめます。
オススメですよ。
 

 

 

プリンセス・トヨトミ

万城目学著     

文春文庫