書店で、「全世界6000万部、話題沸騰」という書評POPを見て、“本当に人気?知らなかった・・・。これは読んでおかなければ。”と思い、購入。(確かに1件目の本屋では下が売り切れていた)
もともと活字中毒気味の私は、最近、寝る前に本を読んでからでないと眠れない状態になっています。でも、このひとときが、一日のクールダウンに役立っている気がするのです。
さて、本書。特徴のひとつは、舞台がアメリカでもイギリスでもなくスウェーデンだということでした。今までほとんど接触のなかったスウェーデン。さらに、著者、スティーグ・ラーソンが50歳の若さで心筋梗塞で亡くなっており、本書を含めた3部作限りということも魅力です。
物語は、月刊誌「ミレニアム」の発行責任者ミカエルが大物実業家の違法行為を暴く記事により、名誉毀損で有罪になったことから進んでいきます。同時期、大企業グループの前会長へリックから40年前に失踪した孫娘ハリエットの事件の調査を依頼されます。そしてミステリアスな相棒、女性調査員リスベットとともにハリエット事件を探っていくのです。ハリエット事件が明らかになるにつれ、思いもよらない真実も次々に明らかになってきます。ミステリーの醍醐味である、「この人犯人かと思ってたけど、違うかった・・・」はもちろん、加害者であり、被害者でもあることに、スウェーデンの問題も潜んでいるような気がしました。
そして、通常のミステリーだと犯人が分かって、めでたし、めでたし・・・なのに、本書は、そこからまだ魅力的な物語へと導いてくれました。登場人物の出生や相関に関する謎。最後まで気を抜けない、読み応えのあるものでした。
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女
スティーグ・ラーソン著、ヘレンハルメミホ 岩澤雅利訳
ハヤカワ文庫