今年のお正月は本を読める時間があった。結構この時間は貴重だと思える。
その上で、良い本に出会うとは・・・何て幸せだったんだろうと、つくづく。
今回の本は、佐野洋子さん著 「コッコロから」
佐野さんのイラストはどこかで見かけたことがあるけど、著書は初めて。本屋でぶらぶらしながら探していると【今は亡き佐野洋子さんが遺してくれた恋の本質が分かる本・・・】と裏表紙にあった。恋という何だか新鮮な文字に惹かれて読んでみようと購入。
物語は、恋って美人だけがするものだと思っていた彼氏いない歴21年のこけし顔の亜子。美人でもない彼女、でもどこか人を安心させる雰囲気を持っていました。男友達はいっぱいいるけど、彼氏はいない。そんな亜子が、ジョン・ローン似のむちゃくちゃ男前の男性とひょんなことで出会い、いつの間にか恋に落ちる。でも、良くある恋愛沙汰のどろどろしたものではなく、キスも一大事で、世界が大きく代わり、世界が一気に明るくなり、手を繋いでいると、世界はふたりだけのためにあるような気になり、とにかく彼のことを考えると幸せで、ぼーっとなる。ほんと、恋ってこういうもんだったなあ、と気づかせてくれる。回りの人の対応も良い。物語は携帯がない時代のことが描かれているので、電話の子機を自分の部屋に持って行って、彼からの電話を待ったりするのも懐かしく、また新鮮で良い。読んでいて、どろどろの恋愛劇よりも、もっともっとドキドキした。亜子がんばれ!ジョン・ローンもがんばれ!何て応援もしている。読後、本当にこんなドキドキする世界が明るくなる恋がしたくなった。