ちょっと頭を休めたくて選らんだ本「アイスクリン強し」(畠中恵著)。本当に漫画みたいな本だった。

時は元禄・・・ではなく、江戸が東京へと変わった明治20年頃の話し。築地の居留地あたりで繰り広げられるスィーツを中心とした物語。

主人公は、居留地で外国人に育てられた孤児、皆川真次郎。真次郎が念願の西洋菓子屋・風琴屋を開き、元幕臣のイケメン(文字から推察して)警官「若様組」たちを絡めて物語は始まります。今でさえ、コンビニにでも行けば、ロールケーキやシュークリーム、そしてアイスクリームなど何にでも手に入る世の中になっているけど、当時は物珍しく、きっと菓子を巡っては様々な事件もあったに違いないのです。

ところどころ辻褄が合わなかったり、この前の事件はどうなったの?と思うこともあったけど、それはもうこの漫画みたいな物語だから目くじらを立てる方がおかしい、という気になる。登場する人々は、本当の悪者はいなくて、たぶんテレビドラマになると、7時とか8時とかお子様でも安心して見られる時間帯に、ジャニーズ系のイケメンを揃えたものになるんだろうなあ、という感じがしました。 

久しぶりに紅茶でも入れて、じっくりスィーツタイムをしてみようか、そんな気になります。

 

「アイスクリン強し」 畠中恵著(講談社文庫)