気楽に、そしてクスリと笑いながら結構奥が深い本を読みました。

「大阪のおばちゃん学」(PHP文庫)

 

動物(ヒョウ柄など猛獣系が多い)がデザインされた洋服を着て、いつもカバンに「飴ちゃん」を忍ばせ、大声で話しする・・・図々しいけど、憎めない、愛嬌のある大阪のおばちゃん。本書では、「おるおる、こんなおばちゃん」と、笑える要素が満載だが、本当の大阪のおばちゃんになるには、ただ単に図々しいだけではないことが書かれています。コミュニケーションの中に本当の意図、優しさが溢れていることが分かる。例えば、買い物で値切るとき。値切った後は、店員や店を褒めることを忘れない。お礼を込めて(?)その場を盛り上げ、やる気にさせる。値切ることもただ単にケチではない。ケチではなく始末だと著者。始末=慎むであり、金やモノを活かしている、と言う。

  大阪のおばちゃんとは、ホンネで生きている人のことをいうと書かれていることに惹かれた。自分の思い通り(「我」を通すのではなく、「正直」)に生きているということなんだと。「わたしがやらずに誰がやる」とばかりにたとえ一人であっても果敢にチャレンジする。「不可能な文字は、わたしの辞書にはない」とお役所にもたてつく。なるほど、アート引越センターも吉本興業も大阪で起業された。

  真の大阪のおばちゃんになるには、コミュニケーション力、家庭経済力も備わっていないといけない。今のわたしの目標でもある。