4月に入り、新人さん、実習生の季節となりましたね。
皆様は「指導」をどんな風に考えていらっしゃいますか?
今日は「行動科学」の視点から「教えるとは?」を考えてみたいと思います
プリセプターが新人に対し、教える。
例えば
「あの方はこういう現病歴で、血液データがこうだから、こういうリスクに注意しよう」
「トランスの時は麻痺側が浮かないように、しっかり膝を固定して・・・(実際に実技練習)」
きっと現場では、業務関連の事から、実際患者様にかかわる際の知識や技術の指導をするかと思います。
最近分かったのが、
新人の「はい、分かりました」はあてにしないことです。笑
僕も良く分かっていないのに分かりました!といってました
きっと何度も指導して頂くのは申し訳ない、指導されて分かりませんなどいえない、先輩に認められたい、
なんとなくまずは「分かりました!」と反応してしまう、分かっている事・分からない事がそもそも分かっていない。
先輩の「分かった?」と聞いた主旨と、新人の「分かった」の価値には隔たりがある。
などなど、様々な理由があるかと思いますが、心当たりがある方もおられるかと思います。。
そして指導するときに、
「あの患者さんの時には、病態が○○だから、患者さんがリラックスできるように対応したり、検査はもっと早くしたり、もう少し患者さんの立場になってやってみて」
など新人さんに伝えることがあるかと思います。
ただ、アバウト(抽象的)なことは、正直難しいです。
きっと上記のように指導した先輩も、最後には、「まぁ、患者さんそれぞれだから難しいよね~」とにごすこともあるのではないでしょうか?
私が「教える」時に意識している事。
そもそも「教える」とはどいういうことか?
知識や技術を教えることではありません。
①行動を促進させる(今やってることが良いとき)
②行動を修正する(間違った方向にすすんでいるとき)
この2つです。
「行動」に注目し、その行動が良ければ褒め、動機づけを行い、その行動が悪ければ、具体的にどう行動することが望ましいか、それを達成するためにどんな具体的目標を立てればいいか?を提示します。
例えば
新人が患者さんに一人で入るときに
ある程度、行動をピックアップします。
居室に入ったら
・ノックをして、表情をみながらあいさつ
・部屋の環境を確かめる(カーテンが開いているか、物が乱雑になっていないか、布団がたたんであるか…)
・トイレのチェック表をみる
・本日の体調や状態を把握する(患者自身から聴取したりバイタル測定から)
・会話する際の立ち位置は腰を下げて患者様目線であるか?
など
居室~リハ室へ
・車いす駆動が人や物にぶつかることなく可能か
・患者さんとのラポール形成するために、なにげない会話が可能か?
など
リハ実施
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・
と、より具体的に「行動」に着目して、評価します。
このメリットは
・行動に着目する事で、指導される側の性格や気分に対し指導しないことです。
最近の新人は話をきかないとか、おとなしいとかと、人柄や性格に対し、否定や指導をすることが良いとはかぎらないからです。
この多様な価値観の時代に、仕事の位置づけが必ずしも、頑張って成果を出すことではないからです
趣味を大事にしたい人、仕事はほどほどに家庭を大事にしたい人、掛け持ちで仕事をしている人、起業するために今の仕事を最低限の準備期間としている人など・・・
だから「行動」に着目することで、人柄に対し指導するのではないので、躊躇せず、はっきりと先輩も伝えることができるのです。
そして多々ある新人の問題行動を、全て伝えず、今できることを3つに絞り、それを意識して次の患者様にかかわる。
例えば
患者様に課題を理解させるときに、早口で相手の理解をしっかり確認せず、課題を行っていた新人に対し
次入るときには
課題を行うたびに、患者様にしっかり課題内容を説明し、最後によろしいでしょうか?など患者さんが課題内容を確認したことを自分が確認したら、実際に課題を行う。
と、指導した所、次の患者さんが終わった時に、新人から
今回は意識して行いましたが、どうでしたか?
と、自分の行動に対しFBを受け取りたいという反応が返ってきました
行動にフォーカスし、その具体的な指導を行い、良ければ褒め、悪ければどうするか?自らみせたり、具体的な行動の仕方を提示する。
そして段階づけを考えながら、1つ1つステップアップする。
僕は今まで新人に対し、アバウトなことばかり教えてきました。
それは、そういう指導を受けてきたからかもしれませんし、自分で考えろ!、患者様の対応やリハビリは千差万別、正解なんてない。
と考えていたので、具体的な業務内容は伝えるが、その新人個人を尊重するという逃げ道を使って、具体的にこうするべきといえませんでした。
自信がなかった面もありますし、どういう風に教えたらいいかわかりませんでした。
もちろん、リハビリの仕方は多様で、大事なことは頭で考えることだと思っています。
しかし、行動を良し悪しで指導することで、最低限のスキルは身につけることができ、しかも誰にでも(性格や国籍に問わず)使用することができます。
あとは、FBで長々と口で説明はしません。
実施直後のFBなら残りやすいですが、口頭で言ったことは残りにくいので、
簡潔に伝え、実際に次にやるべきことを提示し、新人や学生が行動することが大事かと思っています
それをしっかりみてあげる
学生に関しても同じで、実際に触ってやってみないと実践力はつきません
見学は最初のイメージづけで十分です
こんな風に、自分なりの「教え方」が整理できると、きっと指導の仕方が変わるかと思います。
と、今日つづったことは、ここに全て書いてありますww
興味ある方はぜひ!
最後まで、読んで頂きありがとうござました。