警察に保護されて、

突如別居になり夫とは、

離れて暮らせるようになって

身体や気持的には

本当に楽になった


怒鳴り込んでくる人がいない安心感

気兼ねして生活しなくていい安心感

私と息子は、

少し太った

親子だし、家族だから

ぶつかることもあるし、

ケンカもある

意見が合わなくて口をきかないことも

勿論あるし

ムカついて大きな声を出すこともある


精神的に追い詰めるほど、

威圧的な態度

夜中の大きな咳ばらいで

自分の不機嫌さを教える夫

大きな音で閉めるドア

食器を雑に置き、

大きな音を出すことによって

俺はお前が気に入らないと

わからせようとする夫


それなのに

私と息子が出す普通の生活音

たとえばシャワーやトイレ、

出入りの音

そういう普通の生活音に

夫はいちいち激昂した

目が覚めたと言って、

大袈裟にドアを開け、

「うるせえんだよ」と

お風呂場に怒鳴り込んで行く

一日中家に居てリビングで昼寝中、

犬が起きるだろと言って

怒り出す


そのすべては、

私や息子が悪いかららしい


私が怖くて怯えたり、

顔を合わせないようにしたり

口をきかなくなると

「すぐにお前はそういう態度を

とって、俺の気持ちを踏みにじる」

と言われた



自分が不機嫌になるのは、

私や息子が思う通りに動かないからだ


自分のおかげでこうやって、

暮らしているのに

その俺のいうことがきけないのかと


別居してからも

その傷は深く残る


エスカレーターに乗り、

後に立つ男の人が咳払いをする

その人は何も悪くない

でも私は怖くて怖くて

身体が強張り、

身構えてしまう


外食中、

お店の人が食器を片付けている

その音が多少大きかった

それが私には怖い

お店の人に罪は無い


もう大丈夫と思っても

身体が覚えてしまっている


別居して数年、

やっと普通に戻ってきた

裁判中の夫のことですら

思い出すことも

少ない

そういう、くだらない存在