格差社会と累進課税率推移と消費税 | NYのブログ

格差社会と累進課税率推移と消費税


今年になって、日経平均は1月5日に8,500円台から始まり、バレンタイデー2月14日には日銀の金融緩和の一段の強化によって、上昇基調が加速し、3月の株式配当の権利確定日であった3月27日には、高値10,255円をつけて、その後、ギリシャ不安の再燃等により、今度は一転下げ基調となり、6月4日には8,200円台、まさに行って来いの展開であった。


テレビ東京の経済ニュース番組WBSに出演するコメンテーターは、金融緩和と財政健全化のため、消費税増税を訴えることがしばしばあるが、しかも、TPPにも肯定的であることがほとんどなのである。経済界の意向を如何にも正しそうに説明するからすばらしい。


今日の日本のデフレは、グローバル経済における構造的問題であり、一国の金融政策でインフレにできることではないと考えるべきだ。これから、他の先進諸国も日本に追従することになるのではないか。そもそも、金融の量的緩和は投機的な株価や金・コモデティの乱高下につながっているだけなのではないか?


為替介入で外需産業を守るより、内需産業の優遇税制を行うべきだ


今年、2月2日には1ドル=76円台であったのが、3月21日には83円台となるのだが、決算期に向けて、輸出産業の外貨から邦貨への円転のために円安誘導しているのようにも思える動きであった。


為替介入が行われることによって、輸出産業は円での利益を目減りが少なくて済むことになるから、為替介入は利益を補填しているのと同じことである。また、自動車産業はエコカー補助金で補填してもらっているような状態(デフレ下に値引きせずに売ることができる)である。それでもエコカー補助金のほうが為替介入よりましである。


薄型テレビは価格競争の激化により、シャープやパナソニック、ソニー等の電機メーカーは業績悪化が明らかになり、その裾野である日本の部品メーカー各社にも影響していくのだろう。すでに、テレビに使われる多くの部品が海外生産となっている中で、更なる、日本国内の産業空洞化の懸念が起きている。


80円という円高にもなれてしまってきている中、今後も外需頼みであれば、投資先が国内より海外中心となり、折角の金融緩和も資金が国外へ流れるので、国内産業への投資は衰退し、国内市場も縮小するという悪循環となるのではないか。すでに、この円高では輸出で儲け少なくなっているのに、TPPにより、内需を(円高状態では日本での稼ぎは自国で稼ぐより儲けが出やすい)外資系企業に明け渡すようなことになれば、日本の労働条件・環境において、格差がさらに広がるのではないか。


経営の効率化のためのコストカッターは経済規模を縮小させる


円高の対策として多くの企業が行っているのは、徹底的なコストカットであり、産業ロボット等の導入により、少ない人数で工場を稼動できるようになってきている。これは、良い事なのだろうか?


産業ロボットは電気が供給できれば文句も言わず動き続けるし、人のように賃金アップやリストラ対策のための組合活動などもしない。しかし、産業ロボットは電気は消費するが、それ以外の国内の消費経済には殆ど寄与しない。すなわち、労働者を減らすことで、その企業単体では効率的な経営となり、その企業の社員の給料は増加するが、一方で、もっと大きな視点で見れば、効率的経営が進めば、新たな産業が生まれない限り労働市場が縮小することになり、これは、そのうち消費経済市場の縮小に繋がる。


効率化が進めば人は要らなくなる。現に、日本国内の自殺者数はここ14年連続で3万人を超えていることは、死ぬ以外の行き場を失った人が如何に多いかを示している。


所得税の累進性を確認しよう


「所得税の税率構造の推移 財務省」(http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/income/035.htm

によると、昭和63年までは最高税率60%であった。


NYのブログ-所得税税率構造推移(表)
上記の水色の領域をグラフ作成したのがしたのグラフである。
NYのブログ-所得税税率構造推移(グラフ)
平成元年から平成19年への税率変更では、例えば、所得2000万円の人は10%(200万円)減額となる、一方、所得400万円の人は減額なし、また、所得100万円の人は5%(5万円)減額となる。(2014年1月7日;所得税の勉強不足でしたので、修正します。)



所得2100万円の人の場合、平成元年では2000万円を超過した部分について50%、平成19年度では1800万円を超過した部分について45%となるので、平成元年では2000万円から2100万円の部分の所得税は50万円、一方、平成19年度では2000万円から2100万円の部分の所得税は45万円となり、2000万円超から2100万円の部分(100万円について所得税は5万円の減額となります。


所得400万円の人の場合、平成元年では300万円超から600万円の部分について20%、平成19年度では195万円超から330万円の部分について10%、330万円超から695万円の部分について20%なので、平成元年では300万円超から400万円の部分の所得税は20万円、一方、平成19年度では300万円超から330万円の部分の所得税は3万円、330万円超から400万円の部分の所得税は14万円となり、300万円超から400万円の部分の所得税は合計17万円となるので、300万円超から400万円の部分100万円について所得税は3万円の減額となります。


所得100万円の人の場合、平成元年では0万円超から300万円までの部分について10%、平成19年度では0万円超から195万円の部分について5%なので、平成元年では0万円超から100万円の部分の所得税は10万円、一方、平成19年度では0万円超から100万円の部分の所得税は5万円となるので0万円超から100万円の部分100万円について所得税は5万円の減額となります。


どうですか、格差社会となる原因が見えてきませんか?仮に最高税率を1億円以上の所得に税率を100%としても、1億円以上所得があっても、所得税で全額持っていかれるわけではないのです。


その一方で、消費税はWikipediaによると

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(消費税 - Wikipedia)から抜粋

1989年(平成元年)4月1日 - 消費税法施行 税率3%
1997年(平成9年)4月1日 - 村山内閣で内定していた地方消費税の導入と消費税等の税率引き上げ(4%→地方消費税を合わせて5%)を橋本内閣が実施。
「福祉を充実させる」という名目であった。

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である。


消費税導入後、税目別の税収の推移(下記グラフ)をみると景気が減速しているのが分かる。平成元年は消費税の導入の一方で、所得税率が引き下げられているため、すぐに景気が落ち込んではいないが、平成2年には減速傾向となり、平成3年には景気後退期に入っている。


「税制について考えてみよう 財務省」(http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei_pdf2011/2310_1219.pdf


NYのブログ-税目別税収推移



このような経緯で現在の格差社会が生じてきたのである。


6月4日には、野田首相は消費税増税のためだけに内閣改造してきたのであるが、そのタイミングで、橋下大阪市長のツイートが再開し、原発再開問題で民主党対立し、自民党、公明党に擦り寄ってきていたのに、急に方向転換している。橋下市長の役割がなんであろうかは想像できるのではないか。


しかも、毎日新聞のおかしな世論調査

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[世論調査橋下市長「支持」54% 知事時代より低下- 毎日jp]

(http://mainichi.jp/select/news/20120605k0000m010047000c.html )

毎日新聞 2012年06月05日 02時30分(最終更新 06月05日 02時54分)


橋下徹・大阪市長=竹内紀臣撮影 毎日新聞は2、3両日、19日に就任半年を迎える橋下徹・大阪市長に関して、大阪府民と大阪市民を対象にMBSと合同で世論調査を実施した。市長を「支持する」とした市民は54%。高水準を維持しているが、大阪府知事時代に実施した計4回の調査より低かった。市長率いる大阪維新の会が次期衆院選に候補者を立てた場合の比例代表の投票先を尋ねたところ、府民では37%(2、3両日の全国調査は28%)が維新と答え、民主党(7%)や自民党(10%)を圧倒して首位だった。 

 市長を「支持しない」のは16%で、知事時代の調査より高い。府民全体では「支持する」60%、「支持しない」12%で、市民より支持率が高いが、知事時代よりは低かった。

 市民が支持する理由は「改革にスピード感がある」54%▽「指導力がある」22%▽「政策に期待できる」19%--で、不支持の理由は「政治の手法が強引」50%▽「急激に物事を変えすぎている」21%▽「政策に期待できない」15%--と続いた。

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その翌日には、

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[世論調査大阪府内で支持率60%… 橋下・大阪市長の人気、男高女低- 毎日jp]

(http://mainichi.jp/select/news/20120606mog00m010007000c.html )

2012年06月06日

 橋下人気は「男高女低」--。毎日新聞とMBSが2、3日に実施した合同世論調査では、橋下徹・大阪市長の支持率は、大阪府民全体では60%(大阪市民は54%)だったが、性別で見ると男性の66%に対し、女性は57%で9ポイントの差が出た。年代別では30代が73%で最も高かった。【藤田剛】

 府知事時代の調査(11年1月)では、男性が69%、女性が56%と支持率に13ポイントの差があった。やや縮まったとはいえ、「男高女低」の傾向は続いている。

 テーマ別では、大阪都構想を「支持する」と答えた府民は、男性で47%、女性で25%と2倍近くの差。住民サービスや人件費のカットによる財政再建には、男性の66%、女性の60%が支持。大飯原発の再稼働を限定的に容認した姿勢には、男性の55%、女性の50%が支持した。

 一方、年代別の支持率(府民)は、30代・73%▽40代・56%▽50代・54%▽60代・64%▽70代・59%--で、世代を超えて幅広い支持を集めている。

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と結果も印象も異なるニュースを報じている。

橋下市長言い争った女性記者のいるMBSと合同世論調査の結果なので信じられるのかな?


未だに、橋下市長を信心している人もいてもおかしくはないが、民意は流動的である。ネット上の雰囲気は変わってきていると思うのだが・・・。