母が一時帰宅をしてから、せん妄は完全に無くなった。
それのお陰で、悲しくも母は自分の今の状況をしっかり理解したようだった。
だから、私や周りの人達に、お礼や心残りの言葉等をいっぱいいっぱい託そうとしているのが手に取るようにわかった。
病院へ行く前日も、
母 『明日何時に行くの』
病院に着いた後も、一切以前のように、
『帰りたい』
『連れて帰って』
という言葉を言わなくなった。
それどころか、
『あんたがしょっちゅう来てくれるから、おかーちゃん心細くない』
と度々言ってくれるように。
そして、ある時、
母 『あんたがしょっちゅう来てくれるから、さみしくない』
にょろ 『〇〇病院に来て良かったやろ』
母 『ほんまやなぁ。』
にょろ 『××病院(転院前の病院)に居る時、寂しかったん』
母は言葉無しに、”コクン” と頷いた。
そっかそっか・・・・・また私は泣けてきた。
月曜日から金曜日まで、私は面会ができず、従姉妹さん達がたまに来てくれていたとは言え、
意識がちゃんとあるのに、部屋で1日中寝てるだけの2ヶ月って、どんなに苦痛なんやろぅ、寂しいんやろう。。。
私にとって母は、”頼れるおかーちゃん” でもあるけど、
私の大切な守りたい ”カワイイ子供” みたいな存在でもある。
そんな母が、言わなかったけど、寂しかったと思うと胸が締め付けられる。
でもね。
この時は、てっきりずっと朝から晩まで一人で居る事が寂しかったのかと思ったけど、
よく考えたら少し違った。
母が今まで何度も入院をしたけど、【寂しい】 なんて言った事が無かった。
【心細い】も。
今の病院へ転院してきて、初めて、【寂しい】【心細い】という単語を言ったのは、
きっと、”最期の時に向かって” という覚悟が着いてきているからだと思った。
最期の時が近付いているからの、【寂しい】 【心細い】 だと解った。
最期の時に、独りでなく、私がしょっちゅう来てくれる。
だから、寂しくなんかない。
最期一人で逝くんじゃないか? でも、にょろちゃんがきっといっぱい来てくれる。
母は、一時帰宅をした事で、
本当に近づいている。。。。。と覚悟したのだと思う。
おかーちゃん。。。。。
えらいね。
ほんまえらいね。
がんばりや。。。。。。
私もがんばる。。。。。