母が私を不憫に思っていた事(一時帰宅の最後の夜) | 最愛の母の闘病生活、母への想い。男に騙され借金地獄から新築マンション購入話、医療過誤、年下男子話も書いてます。

最愛の母の闘病生活、母への想い。男に騙され借金地獄から新築マンション購入話、医療過誤、年下男子話も書いてます。

最近は専ら大好きな母との事を書いてます。母の医療ミス、借金まみれで一家心中まで考えた過去等、男に騙され続けた話、新築マンション購入、年下男子、何でも書いてます。

母が一時帰宅した最後の夜。

 

小学校時代からの私の友達ユッコちゃんが夜に来てくれて、

2人で母のベッドの横に座り、母を眺めていた。

 

 

 

 

 

母は、たどたどしく小さな声でユッコちゃんに色々、話しかけていた。
 
 
母 『ユッコちゃんとこの・・・お父さんと・・・お母さんは・・・仲が良いから・・・・・・・・・、昔から発表会とかなんでも、一緒に来てたのに、にょろちゃんのとこは、お父ちゃん来た事無い。 だからこの子が可哀想でな・・・・えーん
 
と言って泣き出した。
 
 
ユッコちゃんと私は、小学生の頃一緒に少年少女合唱団に入っていて、同じ先生から、ピアノも習っていた。
だから、ピアノは年に1回だったけど、合唱団に関しては、色んな所で演奏会に出演したり、お祭りで歌ったり等色んな発表の場があった。
そんな場には、ユッコちゃんのご両親はいつも二人揃って観に来ていた。
 
だけど、私のところは、いつも母だけが観に来てくれていて、父が来た事が無い。
 
私は今回、母にそれを言われるまで、ほぼ忘れていた。
父が来てくれていなかった事を。
もしかしたら、小さい頃は気にしていたかもしれないけど、
それ以上に、30歳を過ぎても、書道の展覧会やゴスペルのプチ演奏会まで、総て母が来てくれていたので、その事の方が、印象に強い。
 
おまけに、今思えば、クラスも一緒だったんで、運動会や卒業式等も、ユッコちゃんのところは、ご両親でいつも来ていて、うちは母一人だった。
 
 
 『うちのおとーちゃんはな、小さい時に、自分が親にしてもらってないから、わからへんねん。 ”なんで子供のそんなん、いちいちオヤジが行かなアカンねんムキー” って、にょろちゃんがずっと可哀想でな・・・、ユッコちゃんとこは、仲が良いから・・・えーん
 
 
その言葉を聞いて、ユッコちゃんも泣き出した。
 
 
ユッコちゃん 『おばちゃん・・・・えーん うちもそうやってん。 別れた旦那が全く同じで、息子2人のに、一回も来た事ないねん。 だから、他の家がすごく羨ましかったもんえーん
 
ユッコちゃんはバツイチで、別れた旦那もそうだったらしく、
息子2人居て、2人共野球をかなり真剣にしていてピッチャー等もしていたぐらいなのに、試合どころか、学校の行事すら1回も来た事が無いらしい。
その旦那も、親に来てもらった事が無いらしく、”なんで父親がそんなん行かなアカンのんはてなマーク” と言っていたらしい。
 
 
まぁ、昔の男親はそういうの多かったと思うねんけど、母が、その事をそんなに気にしていたなんて知らなくて、ビックリした。
きっと、ユッコちゃんと同じように、他の家の夫婦を見て、母は羨ましかったんやな・・・・って。
 
 
母は何度も、【この子が可哀想で】 と言って泣くので、
 
 
にょろ 『なんでぇーーえーん 私はそんなん思った事ないでー。 いっつもおかーちゃんが観に来てくれてただけで充分嬉しかったんやでえーんえーん
 
 
 『(私に向かって) ごめんなぁ、ごめんなぁーーーえーんえーん
 
にょろ 『なんでぇーなぁーーー、おかーちゃんは、いっつも私が大人になっても、どんな小さい事でも、必ず観に来てくれたやんかぁ、だから嬉しかったし、ありがとうなぁえーんえーんえーんえーん
 
 
もう3人で大泣きした。
 
 
そして、また母はユッコちゃんに、
 
【おばちゃんおらんなっても、にょろちゃん頼むわなぁー、この子独りで可哀想やからぁ。】
 
と何度も何度も泣きながら言っていた。
 
ユッコちゃんも、何度も私の顔を見ては、
『おばちゃんーーーーえーんえーんえーんえーん
 
 
そうやって、3人で夜遅くまでずっと泣いていた。