母が一時帰宅した最後の夜。
その日の夕方には、もう従姉妹のおねーさんも帰らないといけないと、
おねーさん 『にょろちゃん、一人で大丈夫やな。 私等もう帰らなアカンけど、昨日の夜中も一人で全部できてたやろ。 だから、大丈夫。 私等もう帰るわな。』
っと言われて、すごくすごく不安になった。
最後の夜、
母と二人で、もし何かあったらどうしよう。
オムツも一人で換えれるかな。
母の食べれるもの、作っている間に母見てなくて大丈夫やろうか。
翌日ちゃんとおかーちゃんを送り出せるかな。
そして、小学生時代からの友達ユッコちゃんが、母に会いに来てくれるというので、
私は半泣きで電話をして、
『できれば遅めに来てもらって、できるだけ家に長い時間居てくれへんかな』
と頼んだ。
このユッコちゃんは、母の事を大好きでいてくれて、夜中でも良いから電話しておいでと言ってくれる信頼できる友達。
すると、ユッコちゃんが用事を済ませて、車で来てくれた。
ユッコちゃんが居てくれてる間に私は、母の食べれるものを作ったり、シャワーをさせてもらったりした。
母に食べたいものを聞くと、
『モダン焼き』 と。
食べるのは無理やけど、一応作って、口の中に入れてあげようと、
友達にソバを買ってきてもらい、モダン焼きを作った。
そして、母の口に入れてあげたら、
母 『美味…しい…』
良かった。
勿論食べれるはずもなく、口に入れて味わった後は、口から出させた。
そして、ユッコちゃんと私とで、母のベッドの横に座り、母を眺めていた。
すると母が突然ユッコちゃんに向かって、
母 『おば・・・ちゃんが・・・・おらん・・・なったら・・・・にょろちゃん頼むわな』
ユッコちゃんも私も大号泣した。
ユッコちゃん 『わかった、おばちゃん。 大丈夫。 にょろちゃんの事大丈夫やから安心して。 任せとき』
母 『おばちゃん・・・・おらんなったら、にょろちゃん・・・・一人になるから、心配やから・・・・頼むわな・・・・』
母 『こ・・の・・子には、辛い想いいっぱいさせて…苦労…かけたから…可哀想で・・・』
せん妄になっていて、わけのわからない事を言っていた母は、
一時帰宅した事で、せん妄が解け、頭の中がすごくしっかりして、
周りの状況、自分の体の状況を把握し、
もう今回が家で過ごす最後の時なんだと、わかっていたんや。。。。
切ない。
辛い。
けど、母にもそれを解る権利があると私は思っていたので・・・・
そこから、母は、ゆっくりゆっくり片言やけど、ユッコちゃんに、色々話をし始めた。