兄の住所を調べ、従兄弟のおにーさんに着いてきてもらい、家を探した。
どういう結果になるかわからないので、
とりあえず、懐中電灯を持って、歩いて家を探した。
見つかった。
でも、様子がおかしい。
明らかに中に居るのに、出てこないし、ドアの郵便受けから覗いて、声掛けしても無反応。
でも、中を覗いたら、
テレビに向かって、右手にリモコンを持って、1秒置きに、
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッと規則正しく果てしなく押している。
壊れてしまってる。
テレビでなくて、兄が。
2〜30分声掛けをしたけど、一瞬玄関の方に顔を覗かせた。
聞こえてる。
でも、無視して、
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ…
ショックやった。
まさかの状況。
この何年も孤独と戦いおかしくなってしまったのだと泣けてきた。
もっと、優しくしてあげないと駄目やったんや。
たまに、電話ぐらいしてみれば良かったのか。
この状況では、最期のお葬式すら、来れないだろう…
手紙だけ入れてきた。
おかーちゃんがもう治療できないので、会うなら今のうちやで、お母ちゃんに会ってあげて!と。
病院の病棟と、父が施設に入っている事も。
この内容で声かけもした。
でも、無反応で、ピッピッピッ…
チラッと見えた兄の顔、変やった。
すごい険しい顔してた。
この季節に、Tシャツに短パン。
ショックで、悲しみに打ちひしがれながら、兄の家を後にした。