映画『内なる檻』鑑賞 | Be Here Now

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現在は、ほぼ映画ブログになっております。たまに旅行や食事のことも。不定期更新です。コメントをいただくのは大変ありがたいのですが、あまり関係ないと思われるものにはお返事はしておりませんのでご了承くださいませ。

5月のメゾンエルメス上映作品。


これはとても興味深い作品でした。


閉鎖されることになった刑務所を舞台に繰り広げられる刑務官と受刑者たちの人間ドラマ。


受刑者たちが他の刑務所に移動していく中で、

行き先の都合で取り残された十数人の受刑者と刑務官たち。


そこに今までより濃密な関係性が生まれていき

停電のせい(おかげ)で一緒に食卓を囲むまでになるのが

自然な流れで描かれていて


最初は明確に区別されていた

鉄格子のあちら側とこちら側が

よく分からなくなっていくような、

あれ?この人はどちら側だったっけ?となるような

そんな不思議な感覚を覚えました。


いやいやこの作品、思った以上に私好み。


イタリア映画祭で上映したとのことですが、

一般公開はしていないようで、残念です。

もっとたくさんの人に観てもらえたらいいのに…


刑務官も受刑者たちも同じ人間、

それぞれの事情があって

100%正しい人も100%の悪人もいない。


そんなことを今さらながら思い知らされる、

地味ながら味わい深い作品です。