栄養整形医学実践医の今日の独り言です。


32歳、女性。


1ヶ月前から肩こりが強く、

ここ1週間は首が痛くて右に回らなくなり、

首を後ろに反ると痛みが増し、

更に最近右腕から手にかけて痺れがある。


診察中は辛そうでした。


頸椎のレントゲンでは、

いわゆるストレートネック。


上肢腱反射は亢進あり、

下肢腱反射も亢進。

知覚、筋力は問題なし。


脊髄や神経根の障害はみられないから、

交感神経の興奮がありそう。


頸椎レントゲンでは、

側面から見ると首が長く見える、

いわゆる、"なで肩" が強い状態でした。


じゃあ、ここを圧迫したら腕が痺れるかも、

と確信を持って親指で押してみたら、


『あっ、痺れます。

いつも痺れているところにビンビン来ます。』


親指で押したのは、

右の鎖骨上窩という場所です。


診断確定しました。

胸郭出口症候群です。

あと、強い肩こりです。


これは、なで肩の女性に多いものです。


症状を出にくくする体操があるので、

直接目の前で教えて体得してもらいました。


肩こりが強いので、

お薬、湿布を処方しました。


「教えた体操をしっかり実践して、

お薬飲んでください。では、お大事に。」


普通の整形外科では、

これで終了です。


でも、

これは、

患者さんの症状がなぜ出ているかを説明して、

症状がとれるかもしれないお薬を

"投薬" しただけで、

目の前の患者さんの痛みは

全く変わっていない訳です。


患者さんのNeedsは、

"痛みをとって欲しい"

事なので、

それを叶えてあげなくてはなりません。


私は普通ではないので、

患者さんにその治療法を提案します。


頭に鍼を打つPAPT治療です。


『やってみたいです。

でも、痛くないですか?』


「まあ鍼を打つからチクッとするけど、

大丈夫だと思いますよ。」


そして、

頭頂部の頸椎、右腕のポイントに頭鍼をしました。

頭には6本の鍼が刺さっています。


「どうですか?」


患者さんは緊張の面持ちで、

恐る恐る首を回しました。


すると、ニッコリ笑顔で

『あーっ、首が回るー!』


「じゃあ、首を反らしてみて。どうですか?」


『あー、痛くないですー!

えー、なんでー?不思議〜!』


「身体があったかくなってない?」


『本当だー、ポカポカしてます〜。』


毎回思いますが、

PAPT治療を学んで

      認定医を取得して良かったです。


痛み止めがいらない痛みもあるんです。


では、また。