栄養整形医学実践医の今日の独り言です。

 

もう9年前になるのかと、

急に思い出したことがあります。

 

体調が優れなかった日々のことです。

 

片道1時間の通勤をしながら

1日中患者さんを診察していた中で、

 

夜中に目が覚めて眠れなくなったり、

 

朝起きたら顔や両手が腫れてもいないのに

パンパンになっている感じになったり、

 

通勤途中で急に不安感に襲われて

高速道路の脇に車を止めて休んだり、

 

不定期に襲ってくる夕方の動悸やめまい、

不整脈が酷くて気分が悪かったり、

 

仕事は終わると肩凝りや頭痛が酷くて、

リハビリを受けてから帰宅したり、

 

怒りっぽかったり、

食後にやたら眠かったり、

 

”ああ、このまま死んじゃうのかな”

なんて思ったり。

 

原因はわかりませんでした。

 

ある日、

外出先で不整脈が酷くなって

救急車で都内の病院に搬送されてから、

 

循環器内科を受診しました。

 

3ヶ月にわたり検査をして、

結果を聴きに行った時に”えっ?”って思いました。

 

病名は、

 

”異常なし。”

 

尿酸は高めでも痛風ではなく、

不整脈はあっても心臓に異常なく、

高血圧があっても問題ではなく、

 

検査では異常なしでした。

 

病名はないけど、

ストレスだと指摘を受けました。

 

そして3種類の薬を飲んで経過を見ましたが、

症状は全く変わりませんでした。

 

”薬は効かない”と思い、

薬を飲むのをやめました。

 

薬をやめても症状は同じでした。

 

ストレスは病気ではないから、

薬は効かないのだと思い知らされました。

 

仕事上のストレス、

体調不良によるストレス、

ストレスフリーになることはできませんでした。

 

”ああ、マジでこのまま死んでいくのかな?

もう治らないのかな?”

 

そんな気持ちにしかなれませんでした。

 

”もう治らない”

と思っていた矢先に出会ったのが、

 

栄養療法でした。

 

血液検査では全く異常がなかったのに、

 

その同じ血液検査の結果から

体の中で起こっていることを読み取って、

 

不調の原因を推測してそれを正していく。

 

まず指摘を受けたのが、

食生活の悪さでした。

 

医師である私が、

身体に良いと思っていたことが

身体を虐めていたことに気づかされました。

 

バランスの良い食事の嘘、

身体に良い食材の嘘、

良かれと思って飲んでいた飲み物の毒性、

食事の仕方、食事のタイミングの過ち。

 

”私(医師)って何も知らなかったんだ”

と気づかされた衝撃を受けたのが

 

9年前だったなと思い出したのです。

 

今週、

めまいと頭痛に悩んでおられる女性が

整形外科である私を受診してきました。

 

HPを見てきてくれたようです。

 

既に3つの科を受診していましたが、

どの科でも異常はないと診断されていました。

 

持参した他院での血液検査結果を拝見すると、

その方の身体で起こっていることを

読み取ることができました。

 

それを指摘して、

 

”不調の原因がありそうですよ”

”よくなるようにアプローチしていきましょう”

”すごく頑張ってきましたね”

ということをお話ししました。

 

そして辛いという頭痛、肩凝りから

解放させられたら良いなと思って、

PAPTを行いました。

 

結果は大変有効で、

久しぶりに頭痛と肩凝りから解放されたと

喜んでいただけました。

 

頬に涙が流れていましたが、

そのあとの清々しい笑顔が印象的でした。

 

医師は

目の前にいる不調を訴える患者さんの

病名探しをしてはいけません。

 

なぜなら、

専門的に見て病名がつかなければ

”異常なし”になってしまうからです。

 

患者さんの訴える症状は

同じ症状でも原因は違い、

 

症状を訴えるかぎり

どこかに原因があるはずです。

 

私がそうであったから、

そういう見方ができるようになったから、

私には断言できます。

 

身体の不調には必ず原因があります。

 

一人や二人や三人の医師に異常なしと言われても、

自分に不調があればどこかに原因があるはずです。

 

答えは必ず見つかります。

 

大事なのは、

誰を主治医にするかです。

 

9年前に私を助けてくれた、

そして私の進むべき道を示してくれた、

 

それが栄養療法なんだなと

ふと思い出してblogを書きました。

 

では、また。