栄養療法実践整形外科医の今日の独り言
改め
栄養整形医学実践医の今日の独り言です。

さて、
前回blogからのつづきです。

保育園児や
幼稚園児が
夜中に足が痛いと泣かない方法を
お話しします。

栄養不足が原因だと話したように、

足りない栄養を補ってあげればいい
ということになりますが、

栄養整形医学的に考えた場合、

母親の卵子と
父親の精子が出会う前からの栄養を
考えていく必要があるのです。

なぜそう考えているのかというと、
不妊治療をしている先生としていた
月1回の栄養療法勉強会がきっかけです。

栄養療法って不思議で、

整形外科だろうが、
内科だろうが、
精神科だろうが、
産婦人科だろうが、

あまり何科なのかは関係ないんです。

たくさんの科がありますが、
各科の共通の問題が '栄養' だからです。

逆に他科の先生から
その科独自の栄養療法の話を聞くことで、

整形外科領域での
栄養療法の応用法を学ぶことができました。

という訳で

話を戻します。

不妊治療を行なっている栄養療法仲間の
産婦人科の先生と勉強会をしていた頃、

採卵して人工授精した受精卵の成熟過程を
顕微鏡写真で見せて貰った事があります。

1→2→4→8→16→32→64・・・

健康な受精卵はみるみる分裂して、
綺麗な胚盤胞となって
母親の子宮に戻されます。

しかし、
あまり健康ではない受精卵は
途中から分裂がおかしくなり、

あれっ?

と思うほどの形になって

分裂が止まってしまい、
綺麗な胚盤胞にはなりませんでした。

えっ⁉︎

私は驚愕の現実を目の当たりにしました。

採卵した受精卵は、
必ずお母さんの子宮に戻されて、
赤ちゃんになると思っていたからです。

でも違うんです。
本当にビックリしました。

理由の一つは、
卵子の質が落ちているからだそうです。

前回のblogで、
卵子のことを

"人体の中で最大の細胞"

と書きましたが、
その質が落ちているそうです。

精子は
父親の遺伝情報を卵子に送り込むのが仕事。

卵子は父親の遺伝情報を受け取ったら、
それをもとに
赤ちゃんになっていくのが仕事です。

受精卵の細胞分裂の能力は、

卵子の質
つまり
卵子の栄養状態に左右されるのです。

受精卵が細胞分裂を繰り返して、
胚盤胞になって子宮に着床できるだけの
栄養が卵子自体になければ、

妊娠自体が成立しないのだ
という事を勉強会で学びました。

卵子の栄養が
着床までギリギリ足りていたとしても、

今度は胎盤を通して
十分な栄養が供給されなければ、

受精卵は赤ちゃんにまで成長できません。

またギリギリ赤ちゃんにまで成長しても
お母さんの栄養供給が足りないと、

胎児は
お腹の中で40週間過ごすことができず、
早産してしまうとの事でした。

無事に出産できても
赤ちゃんはひとりでは栄養を取れません。

離乳食が始まるまでは、
母親の母乳が赤ちゃんの栄養源です。

しかも母乳は
'絶対に人工では作れない' と言われています。

母乳は赤ちゃんの初期免疫や
赤ちゃんの成長に大変重要なものです。

母乳の成分は初期は免疫強化、
それ以降は成長のために亜鉛が豊富、
と赤ちゃんの成長に合わせて
成分が変わるとの事です。

やっとの事で、
離乳食にまでたどり着いたら、

さあ
赤ちゃんに何を食べさせるかで
その後の身体と脳の発育に差がでます。

そして、
保育園児や幼稚園児になった時、

子供の成長に欠かせない
十分な栄養を与えていたら、

成長障害なんか起こらずに
夜中に'足が痛い' と泣いたりしないのです。

私は、
自分の子供が
夜中に'足が痛い'と泣いていた頃、

そんな知識はありませんでした。

医師である私が知らなかったのです。

でも今なら断言出来ます。

栄養整形医学的には、

"成長に必要な栄養が足りている子は
夜中に足が痛いと泣く事はない" と。

保育園児や幼稚園児の
夜間の足の痛みの予防は、

ただ子供のお腹を満たす食事ではなく、

子供の成長に必要な
栄養を満たす食事を摂らせるべきだと

私は考えています。

さて、
次回は
小学校高学年から中学生の足の痛み
についてお話しします。

(つづく)