栄養療法実践整形外科医の今日の独り言
改め
栄養整形医学実践医の今日の独り言です。

(前回blogのつづきです。)

保育園児や幼稚園児の足の痛みが
どうして栄養不足から来るのかを

栄養整形医学的に自論を展開してみます。

前回のblogで、

"我が子に成長時痛を起こしてしまって
申し訳ない"
と思っています。

と書きました。

育ち盛りとは
どういう事か想像してみました。

〜〜〜〜〜〜〜〜

ヒトの身体は細胞で出来ています。
約30兆個の細胞からできている
といわれています。

細胞レベルで考えたら、

我が子は
どうやって生まれて来たのでしょうか?

30兆個の始めの1個目は何か?

母親の卵子と父親の精子が出会い、
受精卵となります。

それが我が子の始まりです。

卵管で受精卵となった我が子の基は、
細胞分裂を繰り返しながら
子宮へと移動します。

細胞分裂は
1→2→4→8→16→32→64・・・
とどんどん進みます。

受精卵の細胞分裂のための栄養は、

人体で最大の細胞である卵子に
蓄えられている栄養を使っています。

卵子の栄養を使って、
細胞分裂が繰り返されますが、

卵子が蓄えている栄養には限りがあります。

限界が来る前に、
卵子はそれ以上大きくなるために

他から栄養を貰わないといけません。

では誰から栄養を貰うのか?

母親から栄養を貰うのです。

そのために卵子は子宮にたどり着いて、
着床します。

そこで胎盤を作り、
母親から栄養を貰う準備をします。

その胎盤を通して
母親から栄養をもらい、

細胞分裂をどんどん繰り返しながら
受精卵は胎児になっていきます。

やがて組織や臓器が出来上がり、
顔や手足が作られて、

十分に大きくなったところで
産道を通り抜けて赤ちゃんになります。

赤ちゃんになって世に出ても、
我が子は自分で栄養は作れません。

赤ちゃんも大きくなるためには、
更なる栄養を必要とします。

その栄養も母親から貰うのです。

まずは母乳から、
やがて離乳食から、

そして
いろいろなものが食べられるようになり、
どんどん身体が大きくなって

保育園児や
幼稚園児に
なっていくのです。

そこまでの育ち盛りの時期までで、
我が子に栄養を与えて来たのは

一体誰ですか?

離乳食までは主に母親、
その後は両親です。

子供の身体が大きくなるには、
身長を伸ばす必要があります。

ヒトはまず、
縦に長くなってから
横に大きくなります。

どうやって縦に伸びるのか?

骨が成長して、
縦に伸びるのです。

子供の膝のレントゲンを見てみましょう。

では比較のため、
大人の膝を見てみましょう。

レントゲン写真の上が子供、下が大人。

子供の膝は隙間がだいぶ空いています。
隙間は軟骨の厚みです。

また子供の骨は骨端線という
伸びしろがあります。

成長期の子供は日々
骨が伸びているのです。

骨はコラーゲンの鉄骨が土台になり、
ミネラルがセメントのようになって
出来上がります。

骨の土台であるコラーゲンを作るには、
タンパク質、
鉄、
ビタミンC、
が必要です。

コラーゲンが作られてから、
カルシウムがそこに入り込んでいきます。

子供が成長するためには、
つまり
子供の身体を大きくするためには、

まずは
骨を作らなくてはならないため、

骨の材料となる栄養が十分に必要です。

骨の材料となる
タンパク質、
鉄、
ビタミンC、
は子供の骨成長を考えた場合に

育ち盛りの子供には
不足しないように与えなくてはなりません。

肉、魚、卵、大豆を中心としたタンパク質、
赤身肉、レバーを中心とした鉄、
葉野菜や柑橘類に含まれるビタミンC、

子供の骨成長には欠かせません。

栄養が足りていれば、
骨の成長は順調に進みます。

材料が豊富なので
細胞はどんどんコラーゲンが作れます。

全ての細胞が同じように骨を作れるので、
骨はその日に伸ばしたい分が伸ばせます。

骨は寝ている間に作られるので、
"寝る子は育つ"
とは大変的を得ています。

栄養が不足すれば、
骨を作るための材料不足になるため、

細胞がコラーゲンを作ろうとしても
全ての細胞に材料が供給されません。

骨を作れるところと
骨を作れないところができてしまい、

骨は1日に伸ばしたい分が伸ばせない、
ということになります。

栄養が足りていれば
すんなりと骨が伸びて痛みはなし。

栄養が不足していれば、
すんなりと骨伸びないため痛くなる。

保育園児や幼稚園児が
夜中に足を痛がって泣くのは、

栄養不足で夜中に骨がうまく作れないから、
ということになります。

そうならないためには、
子供にちゃんと栄養を摂らせる事が
大事なのですが、

詳細はまた次回に。

(つづく)