栄養療法実践整形外科医の今日の独り言です。

気になるネット記事を見つけました。

オーバートレーニング症候群

記事にはこう書いていました。

  "高校生の駅伝選手に多い"

記事によると主な症状は、

身体症状
・原因不明の競技力低下
・疲労感、だるさ
・めまい、立ちくらみ
・頭痛、発熱

精神症状
・抑うつ状態
・意欲や集中力の低下
・情緒不安定
・不眠または眠りすぎ
   


これって、



鉄欠乏症そのものです。


栄養療法に興味のある
一般の方だってわかります。

鉄欠乏症だと理解すると、

"高校生の駅伝選手に多い"のは
当たり前です。

寮に入って、
栄養士によるバランスの良い食事を食べ、
毎日ハードなランニング練習をして、
赤血球が壊れて、
造血のための栄養素の不足に気づかず、
どんどん鉄欠乏症が進行して、
精神症状まで出てきたら、
子供がかわいそうです。

子供達は駅伝選手として選ばれたいので、
一生懸命に練習について行きます。

多少疲れていても、
多少足が痛くても、
チームのみんなに遅れを取らないように、
またメンバーから外れないように、
コーチや監督にも相談できずに、
そして徐々に心身が壊れていきます。

過去にそんな子供を2人診察しました。

1人は両親の理解があり、
食事指導と
プロテイン摂取と
サプリメント摂取で
練習について行けるようになり、
記録も伸びて元気になりましたが、

もう1人は父親に理解がなく、
"栄養士の指導通りに食事は食べさせてるし、
サプリメントで本当に良くなるのか!"
と怒鳴り散らして出て行き、
後日お子さんは学校にも行かなくなり、
駅伝部も退部したと母親から聞きました。

オーバートレーニング症候群は
練習し過ぎも原因ですが、

練習に見合った栄養供給が少ない事も
大きな問題です。

また子供を取り巻く環境も
大きく左右します。

保護者や指導者は
コーチング技術と共に
栄養の知識も身につけるべきです。

毎月選手の血液検査をして、
栄養療法実践医のチェックを受ける、

こんなシステムが常識になれば
こんな変な症候群は消えてなくなります。

選手の血液検査のチェックは、
基準値を参考にしている医師にはできません。

血液検査データの生化学的意味を理解し、
データから栄養素の過不足を読み取れる
訓練を積んでいる医師のチェックがあれば、
高校生の駅伝選手だけでなく
運動する子供達の悲劇は起こらなくなります。

そんな世の中になるまで

'栄養整形医学をメジャーにして行きたい"

と熱い心を呼び覚ましてくれた記事でした。

記事はこちらです。

栄養の大切さを書いた書籍も紹介します。
では、また!