栄養療法実践整形外科医の今日の独り言です。

暑い夏のある日、

70代歳男性が
左足の甲が痛くて来院しました。

『何もしないのに急に痛くなった。』
と左下肢を引きずって歩いて来ました。

『草むしりしかしていないんだけどな。』

レントゲンで足の骨や関節に異常なく、
痛い部分が赤くなり、熱感があります。

恐らく痛風発作です。

血液検査をして、
鎮痛剤を処方して診察終了しました。

1週間後、
患者さんが来院してきました。

『先生、薬で3日で楽になった。
               いやー、もうすっかりいいや。』

痛風は大抵1週間もすれば、
痛みはとれてしまいます。

血液検査の結果をみると尿酸値が高く、
痛風発作だったのは間違いなしでしたが、

中性脂肪も高かったため
この方の痛風の原因は
        果物かお酒だとわかりました。

もう一度問診をすると、
               犯人はお酒でした。

"アルコールで尿酸値は上がります。
前日アルコールを飲んで、
暑い中草むしりをして脱水になったから
痛風発作が出たようです。
草むしりの後に
水分補給なしでアルコールを飲んでも
痛風発作が出ちゃいますよ。
これからは草むしりする時は
アルコールを飲まないで下さいね。"

『わかりました。ありがとう。』

腰を上ながら
診察室を出る間際に聞かれました。

『ところで先生さー、
痛風でも飲んでいいお酒って何?』

"えっ?痛風でも飲んでいいお酒?
        そんなものはありません。
        アルコールは全てだめなんですよ。"

『いやー、厳しいなー。
        お酒はやめらんねーなー。
            じゃあ、先生、ありがとね。』

実は、
この方、
3回目の痛風発作でした。

毎回こんな感じです。

近いうちに4回目もありそうです。

初診時に、

痛風発作が起こらないように
時間をかけていろいろ説明しましたが、

2回目以降は

痛くなったら来て、
血液検査して、
痛み止めもらって帰ります。

またかい?
しょーがないなー。

こんな感じの医療もやっています。

では、また。