栄養療法実践整形外科医の今日の独り言です。

3日間のファスティングの後も
数日間の回復期間が必要です。

お休みさせていた胃や腸に
また働いてもらうための食事があります。

ファスティングマニュアルには
回復食レシピが丁寧に載っています。

回復食の1番始めが
前回のスッキリ大根でした。

昼は葉物野菜のサラダ、
豆腐とワカメの味噌汁、
それに残りの酵素ドリンク。

食事はこれらを良く噛んで、
途中で飲み込みたくても飲まずに
食べた物がほぼペースト状になるまで
とにかく良く噛んでから胃に入れます。

動物性のタンパク質は消化し辛く
胃に負担をかけるので、
回復食3日目以降が望ましいとの事。

胃はタンパク質を消化するのに大切ですが、
ファスティングでお休みさせていたので
眠っている胃を
ゆっくりと起こす必要があります。

しかし、
回復食2日目にして
私は水素吸入のセミナーに参加して
夕食を兼ねた懇親会に出席する予定でした。

"お料理は野菜中心に頂いて
タンパク質が出たら良く噛んで
食事は少な目にしよう"
と夕食会に臨みました。

案内されたのは上野にある老舗料亭。

席に着くと飲み物のオーダーです。

皆さんはアルコールを注文しますが、
私はノンアルコールでいきました。

当日はまだファスティング2日目です。

"食べ物を良く噛んで食べよう"
ということだけに集中して、

カフェインは摂らない
というルールを忘れていました。

『烏龍茶下さい。』

飲み物が来た頃、
乾杯の挨拶があり

私は喉が乾いていたので
烏龍茶をグラス半分以上飲みました。

初対面の方と一緒のテーブルに着き、
自己紹介をしてから皆で箸を取りました。

運ばれていた料亭の食材は野菜が少なめで、
なんと動物性タンパク質の嵐でした。

お招き頂いて残す訳にはいきません。

お魚、
貝類、
肉類、
そして名物の生湯葉。

いつもなら嬉しくてしょうがない
美味しい料理ばかりで最高の気分でした。

どれも美味しくて
とにかく口の中でペースト状になるまで
噛んでから頂きました。

鮑、
蛸、
肉類、
これらが本当にペースト状になるまで
良く噛んで頂きました。

料理はどれも美味しく、
気づいたら烏龍茶も3杯は飲んでいました。

お腹は、
なんとか大丈夫そうでした。

ファスティングの影響でしょうか、
食材の味が際立っています。

鮑の風味、
お刺身の脂の匂い、
筍の香り、
いつもの何十倍も脳を刺激しました。

最期の甘味も美味しくて、
半分は残しましたが頂きました。

食事のありがたさを
食事の大切さを
長い時間味わう事ができて幸せでした。

すっごく美味しかったです!

タクシーで帰宅して、
お風呂に入って
夜は早めに床に就きました。

幸せな気持ちで寝落ちしましたが、
夜中に
最悪の状況で目が覚めてしまいました。

腹痛です。

胃腸が悲鳴をあげたのです。

激痛ではないけど、
胃から右の上腹部にかけての鈍痛。

腸が動いていないようでした。

消化を助けるために、
全ての料理を
ドロドロになるまで噛んだのに、
せっかく美味しく頂いたのに、

胃腸はヘソを曲げたのです。

やっちゃった感満載でした。

消化酵素のサプリメントを飲み、
グルタミンとビタミンCも摂取して、

お腹を動かそうと
お風呂を沸かしました。

入浴しながら
お腹をマッサージして
ようやく腹痛が和らいだ頃は
夜が明けていました。

このやっちゃった話を
ファスティング指導者に報告しました。

どうやっちまったのかを
指導して頂来ました。

食べ方は良かったけど、
食べたタンパク質の量が多過ぎた。

烏龍茶3杯にはダメ出しされました。

烏龍茶はカフェインを含むため、
大量に入ったカフェインが
お腹の動きを止めたのが怪しいと
指摘を受けました。

烏龍茶ではなく
少しのアルコールが方が良かったのか、
と聞いたら

'アルコールはもっとヤバイ'

とアドバイスを頂きました。

そして、
究極のアドバイスが、

'お水を提供できない事はありませんよ'

でした。

烏龍茶ではなく、
お水にして、
食べる量を少なくしておけば、
胃腸がヘソを曲げる事はなかったのです。

さて、
翌日からはお腹に優しい回復食に努めて
無事に3日間のファスティングを終了。

自分の血糖値の調整力のショボさ、
忙しさでアドレナリンが出まくっている事、
胃腸の働きの大切さを学べました。

食事の大切さを再認識して、
実りの多いファスティング体験でした。

皆さん、
ファスティングを行うならば、
必ず指導者の元で行うことをお勧めします。

SNSや本などを参考にして
自分で出来るなんて思わないで下さいね。

"先生、
ファスティングってどうなんですか?"

私も外来で聞かれる事があり、
今回自分で体験しようと思った訳です。

私は普段から食事に気を配り、
サプリメントもしっかり摂っていて、
血糖値の調整は上手くいっていると
勝手に思っていた事が明らかになりました。

血糖値をいかに安定させるのか?

それを考えた場合、
糖質制限は大事ですが、
指導が難しいと思いました。

私は今、
糖質制限を続けていますが、
どういうタイミングで
どう糖質を摂るのが良いかを考えています。

今回の人体実験は
ドキドキしましたが、
本当に実りの多い実験でした。

参考になれば幸いです。

では、また!

そうそう、
タイトルは寝たきりを防ぐ・・・
とあるますが、
決して高齢者向けではありません。

元気に動きたい方に
是非読んで頂きたいです。

平成最後のブログを読んでくださって
誠にありがとうございます。

令和の新元号の時代には
オーソモレキュラーが当たり前になる、

そんな世の中になるように
今後もブログ発信していきます。