栄養療法実践整形外科医の今日の独り言です。

久しぶりのblogアップになりました。

自らの身体を使った
人体実験が終了して2週間が経ちました。

3日間のファスティング実験です。

大変に重要なことなので
ここでハッキリと言っておきますが、

ファスティングはただの絶食と違います。

ファスティングには
しっかりとしたやり方、方法があります。

ファスティングど素人の私が
3日間も耐えられたのは、

熟練した指導者が
しっかりとフォローアップして下さる
グループファスティングだったからです。

この3日間のファスティングでは
沢山の学びがありました。

今日はそれをまとめてみます。

グループファスティングに申し込んだら
まずダンボール箱が届きました。

中には
ファスティングに必要なアイテムが!

そして、
Facebookのメンバー限定グループに申請。

すると指導者からは
ファスティングの具体的なやり方や
ファスティング前後の食事内容や
更にはレシピまで送られてきます。

注意事項まで事細かく書いてあります。

まずビックリしたのは、

ファスティング2日前から
準備食を食べるという事でした。

"いきなり絶食するんじゃないんだー"

と思いながらも、

準備食の食材を調達しに買い物に行くのが
ファスティングの始まりでした。

ファスティングマニュアルには、
準備食には何をどれくらい食べるのかが
しっかりと書かれていました。

マニュアル通りに買ってきた食材を、
マニュアル通りの味付けで、
マニュアル通りに食べました。

私が普段摂っている肉魚卵大豆は
胃腸をフルに使って
    消化吸収しなくてはならない食材です。

しかし、
ファスティングの目的の1つが
胃腸を休めることになります。

ファスティング準備食を食べていた当初は、

そんな事など思いもしないで
ただマニュアル通りに食べていましたが、

今になって回想してみると、
ファスティング準備食には、

胃腸の中身を綺麗にお掃除しながら
少しずつ胃腸を休ませる効果があったんだ
と感じました。

準備食は2日間でした。

野菜、豆類、海藻類、発酵食品が中心で
酢を多めに摂りました。

食材選びも
なるべく添加物が少ない物を選びました。

アルコールを混ぜていない
昔ながらの製法で作られている
本物のお酢にも出会えました。

そのお酢だけを振りかけた
グリーンリーフサラダは美味しかったです。

あと、
パッケージに海納豆と書いてある
納豆よりも果てしなく糸を引く
    ネバネバの海藻にも出会えました!

久しぶりの買い物って楽しいな
                                    って思いました。

さて、

迎えたファスティング初日。


1日を通して飲む酵素ドリンクを
マニュアル通りに薄めて仕込んだ
ペットボトルを持参して参戦しました。

この酵素ドリンクの原液が
キョーレツに甘くて美味しい

薄めたドリンクもなかなかのお味です。

なにも食べないと
低血糖になったり、
アドレナリンなどの
血糖上昇ホルモンが出てくるため、

血糖値を安定させるために
酵素ドリンクを飲みながら過ごします。

そして、
ファスティング用の特別な塩、
その塩を使った梅干し。

脱水症状が起こらないように、
塩分をしっかりと補給します。

更には、
何か起こった時の
レスキューのために準備されたアミノ酸。

そして、
デトックス効果を増強するための
別のアミノ酸や
          入浴剤まで準備されています。

これらの
ファスティングアイテムと共に
胃腸に休暇を取らせて、

オートファジーを促して
ミトコンドリアを活性化させ、
細胞の若返りとデトックスを促進して、

余分な脂肪を燃焼させて
脂肪に溜まっている悪玉物質を追い出す、

そんな3日間を過ごす訳です。

初日は自動車運転中から
酵素ドリンクをチビチビ飲みながら通勤。

クリニックの外来中にも
酵素ドリンクをこまめに飲みながら、

時々塩をペロリ。

この塩がまた独特の匂いがありました。

硫黄が含まれるため温泉のような、
と言うよりドブのような匂いでした。

その時にミネラルウオーターや
ルイボスティーも飲みました。

誤算だったのは、
ファスティング初日の外来が
凄く忙しかったことです。

この忙しさが、
あとで語る恐怖体験に繋がるのです。

マニュアルには、
酵素ドリンクと飲み物を合わせて
1日を通して2リットル以上の
水分補給とありました。

水分補給を多めにしました。

そして、
激務の午前外来が終わりました。

多忙の割には外来は早く終わりました。

いつもなら、

"さあ今日のランチはどこに行こうかな?"

となりますが、
その日はファスティング初日。

食べないから、
ランチに出かけなくていいのでした。

アイテムの梅干しを1つ口に入れ、
酵素ドリンクを飲みながら、

本当は休めばいいのに
PCに向かって雑務をこなしました。

ランチの時間が
仕事をする時間に変わった事で、

"溜まった仕事が昼にできるから、
                              夕方は早く帰れるな"
と思ってPC作業に入れ込みました。

お腹が空かず、
仕事がはかどり、

気付くともう午後の外来開始時間でした。

でも、
お腹が空いてきません。

ファスティングって凄いかも、
って考えていました。

血糖値が安定しているんだな、
って思っていました。

・・・この時までは。

なんとこの日は、
午後の外来も超多忙でした。

水分補給も
塩補給も
頑張ってできました。

忙しかったのですが、
テンションを上げて仕事をこなしました。

1日を通してお腹は空きませんでした。

ファスティングって、
"思っていたより楽にできたな"
という印象でした。

・・・この時までは。

酵素ドリンクはマニュアルと比べたら
すこし少ないかなと思っていましたが、

きっと糖新生が上手く出来ているんだな、
と思っていました。

・・・この時までは。

帰宅前になったところで、
ちょっと寒気がしました。

そして、
ちょっとだけお腹が空いたな、
って感じました。

マニュアルでは
"夕方にアミノ酸をとります"
                       ってなっていましたが、

家に帰ってからでいいなと考えて、

"早く家に帰ってゆっくりしよう"
と車に乗って帰路に着きました。

薄めた酵素ドリンクは残りわずかでしたが、
追加で仕込まずに車に乗り込みました。

夕方は気温が下がり、
寒さを感じていましたが、

車に乗って暖房を入れて出発しました。

高速道路に入って順調に走っていたら、
急にノロノロになり
       少しイライラしました。

流石にしびれを切らして
追い抜きをかけました。

アクセルを踏み、
ノロノロな車を追い越してから

あれ?

となんだか不安感を感じました。

あれ、あれっ?
なんでこんなにヤバイ感じがするんだ?

と思っていたら、

急に手が冷たくなり、

どうしちゃったのかな?

と思った瞬間に動悸がしました。

ハンドルを握る手が震え、
腕に力が入りにくい。

ヤバイ!

死ぬと思いました。

高速道路の分岐に辿り着き、
車を止めてハザードランプを点滅させ、

冷たくなった手足と身体を
暖めるため暖房をMAXにして、

シートを倒してゆっくりと深呼吸。

明らかな低血糖発作でした。

血糖値を上げないと死にます。

マジで死ぬと思いました。

震える手でアミノ酸を取り出し、
酵素ドリンクを原液で飲みました。

救急車を呼ぼうとも思いましたが、
救急車が到着する前に死ぬなと思いました。

人体実験失敗したな、
とも思いました。

そして、
家族の顔が浮かんできました。

"死ねない。生きなきゃ!"

弱気な心を捨てて、
アミノ酸と酵素ドリンク原液を
なんとか追加で飲みました。

シートに横たわり、
深呼吸をして、
目をつぶりました。

聞こえるのはMAXに上げた暖房の音と
横を通り過ぎる車の音だけでした。

・・・・・

あっ、

死ななくて良かった。

そう思ったのは、
動悸が収まったからです。

そして、

嬉しい事に
だんだんと手足が暖かくなってきました。

更に酵素ドリンクを原液で飲みました。

なんて甘くて美味しいんだろうか!

手の震えも収まって来ました。

怖かったな。
ファスティング止めようかな。

って思いましたが、
これをすぐに指導者にレポートしました。

報告が終わった頃には、
身体も温まりました。

ああ、家族の所に帰れる!

ハザードランプを消して、
右のウィンカーを出して車を出しました。

追い越しなんかせずに、
ゆっくり帰りました。

今まで
こんなにゆっくりと帰ったことはない、
って位にゆっくりと帰りました。

帰宅したらFacebookをチェック。

グループファスティングの指導者からの
アドバイスを読みました。

指導者からも
死なないでよかったと言われました。

やはり
決められた量の酵素ドリンクを
しっかりと飲む必要があったとの事。

そして、
なぜ私が低血糖発作を起こしたのか、
それが詳しく書かれていました。

朝から昼にかけて忙しくて、
テンションを上げて仕事をしていたため、

私はコーチゾールやアドレナリンを
朝から大量に出して
血糖値を維持していたようです。

しかし、
日内変動によって
コーチゾールが16:00〜低下したため、

夕方以降は主にアドレナリンで
血糖値を維持していたようです。

普通はコーチゾールの低下する
夕方以降の血糖値の維持は、

糖新生によって行われるはずですが、

私は糖新生ができずに
アドレナリンを出していたわけです。

忙しい一日の仕事を終えて、
気が抜けてリラックスして、

沢山出ていたアドレナリンが
出なくなって、

夕方のそんなタイミングで
酵素ドリンクや
アミノ酸を摂らなかったのです。

更に、

寒さと
高速道路での運転、
ノロノロの車にイライラしての追い越し、

低血糖になっているところで
一気にアドレナリンがドバッと出た。

動悸、
手足の震え、
手足の冷え、
どうしようもない不安感と焦燥感。

そうです、
パニック症状そのものです。

糖新生ができない事で
低血糖を起こして
私の身体はパニックになったのでした。

ファスティング初日に学んだのは、

自分が普段から
血糖値の調整が上手くいっていないのだ、

という事でした。

糖質制限を気にしすぎるあまり、
朝から低血糖になり、

糖新生ではなく
コーチゾールやアドレナリンを出して
血糖値を維持していたのだ、

ということがわかったのでした。

さて、
初日の夜は、

指導者のアドバイス通りに
アイテムの入浴剤を使って、

身体を温めて、
身体を(筋肉を)緩めました。

2日目はどんなことが起こるのかな?

そんな事を思いながら、
寝落ちしました。

続きはまた今度。

では、また。