栄養療法実践整形外科医の今日の独り言です。

2019年に入ってからの
                久しぶりのblog更新ですね。

ドリンクバーで
びっくりなんとカフェインレスコーヒーが飲める、
ジョナサンにてblogを書いています。ニコニコ

 



さて今日は、



今まで語ってきたコラーゲンの話とは
ちょっとだけ違った話をしたいと思います。



私は専門が整形外科です。



整形外科は

身体中にあるコラーゲンと
関係が深い臓器や
                  組織のトラブルを扱います。

怪我ならば、

擦り傷、
    切り傷、
           捻挫、
           腱断裂、
                  骨折、
                      などです。

怪我以外なら、

肩凝り、
    腰痛、
        椎間板ヘルニア、
                      外反拇趾、
                   オスグッド病、
                                 腱鞘炎、
変形による関節の痛み、
                         骨粗鬆症、
                                 などです。

現在日本は高齢化社会であり、
間もなく
超高齢化社会になるといわれています。

そして、
私をはじめとする整形外科医は
一つの大変重要な疾患を扱っています。

それが、
骨粗鬆症です。

骨粗鬆症は
全身の骨が弱っている訳で、

骨量が減り、
骨質が悪化し、

骨折が起こりやすい状態です。

骨の弱さを知るために開発されたのが、
骨密度の検査機器(DEXA)です。

骨密度が低いと
骨折が起こりやすいという事で、

整形外科では
骨密度を上げる治療をしてきました。

女性ホルモン製剤、
カルシウム製剤、
活性型ビタミンD製剤、
ビスフォスホネート製剤、
SARM製剤、
                    などの飲み薬の治療と

PTH製剤、
抗RANKLモノクロール抗体製剤、
ビスフォスホネート製剤、
                などの注射薬による治療です。

骨密度は
これらの治療で上がりましたが、

実際には
骨折は起こっています。

なぜならば、

骨密度が上がっても
骨質が悪いままだからです。

骨質はどう改善させるのか?

現在のところ、
骨質改善のための製剤はまだありません。

骨質については前回のblog
コラーゲンの話⑥で書きました。

骨質の劣化は、
コラーゲン架橋の劣化(錆び)によります。

コラーゲン架橋の錆びを防ぐ
錆び止めのような薬が
できればいいのですが、

夢のまた夢の話でしょう。

コラーゲン架橋の劣化は、
酸化と糖化で引き起こされる訳ですから、

生活習慣の改善、
食生活の改善、
そして栄養補給に頼るしかない訳です。

どんな栄養かといえば、
丈夫なコラーゲンを作るための

タンパク質、
鉄、
ビタミンC、

更には
コラーゲン架橋を錆びさせる元凶である
悪玉アミノ酸、
ホモシステインを減らすための

ビタミンB6、
ビタミンB12、
葉酸、

などです。

コラーゲンには
リジンというアミノ酸が豊富です。

そして、
リジンは糖化を受けやすく
AGEsを作りやすい。

AGEsは一度できてしまうと
なかなか消せません。

だから、
骨折するほど骨が弱っている骨粗鬆症は
コラーゲン自体がかなりヤバイ事に
なっているということなんです。

ホモシステインが高いと
骨粗鬆症、
脳梗塞、
心筋梗塞、
認知症、
になりやすいことがわかっています。

ホモシステインが高いと
コラーゲンの架橋が劣化して
コラーゲンの強度が落ちます。

だから、
コラーゲン線維が豊富な
骨や血管が弱ってしまうために、
骨粗鬆症、
心筋梗塞、
脳梗塞、
になりやすくなるんです。

では、
なんで認知症になりやすいのか?

それを知るためには、
脳のことを知らなくてはなりません。

脳には2種類の細胞があります。

神経細胞 と グリア細胞 です。

神経細胞はニューロンのことですが、
グリア細胞には3種類があります。

ミクログリア、
アストロサイト、
オリゴデンドロサイト。

神経細胞とグリア細胞の関係は、
下の図のようになります。


神経細胞をサポートしているのが
グリア細胞というわけです。

ミクログリアは脳のお掃除屋さんで、
病原体をやっつけたり、
壊れた組織をキレイにします。

オリゴデンドロサイトは
神経細胞から伸びる軸索に髄鞘作り、
それを保護したり栄養を与えます。

アストロサイトは刺々しい手を伸ばし、
軸索と血管にも繋がって
神経機能のサポートや調整をしています。

そして、
これらの細胞の足場になるのが
コラーゲンです。

コラーゲンが劣化したら、
足場が崩れてしまうためにグリア細胞が
ニューロンをサポートできなくなり、
脳機能が落ちてしまいます。

脳内にはもともと
コラーゲンが豊富にある訳ではないため、

コラーゲンの劣化に弱いといえます。

ホモシステインが増えると
脳内のコラーゲンがボロになり、

グリア細胞の足場が崩れて
神経細胞をサポートできなくなり、

サポーターを失った神経細胞は
うまく機能できないために

認知症になってしまうんだと思います。

骨粗鬆症、
心筋梗塞、
脳梗塞、
認知症、

この4つの共通点があるとしたら、
"コラーゲンの劣化で起こる結果"
と断言しても過言ではないのです。



骨粗鬆症の治療とは、



いいコラーゲンをいかに作るか、
悪いコラーゲンをいかに作らないか、

これがポイントだと思います。



ここにポイントを置けば、



同時に心筋梗塞、脳梗塞、認知症の
予防に繋がっていくと思います。

脳の組織内のコラーゲンの一つに、
ポリリジンがあります。

コラーゲンの材料となるアミノ酸、
リジンが連なったものです。

認知症予防には、
リジンを豊富に摂ることが
重要なのかもしれません。

リジンは穀物に少なく、豆類に豊富。

主食を
    米、小麦から
    豆類に変えるのもありかもしれません。

コラーゲンたっぷりのスープを
毎日飲むのもありかもしれません。

とんこつスープ、
コムタンスープ、
鶏ガラスープ、
スッポンのスープ、
ふぐの皮の湯びきや煮こごり、
豚足、
などなど

美味しいコラーゲン料理を食べて
コラーゲンの劣化を防ぎましょう。

あぁ〜、ふぐが食べたい!爆笑


そうそう、

コラーゲンの話、

書籍にも書いてあります。



では、また!