栄養療法実践整形外科医の今日の独り言です。

いきなりですが、

疎性結合組織 って 知っていますか?

臓器と臓器、
           臓器と組織、
                      組織と組織、

 をつなぐ組織なんですが、

そこには何があると思いますか?

線維芽細胞が作った

コラーゲンや 
エラスチンや
ヒアルロン酸が作る
不思議な組織なんです。

コラーゲンという大木の周りに
エラスチンという木々が生い茂り、

ヒアルロン酸が
プロテオグリカンと協力して
その周りに水を湛え、

ポツンポツンと木の実のように
みえる細胞が漂っている、

まるでアクアリウムみたいな
不思議な光景の組織。

疎性結合組織とは、
そんな組織なんです。

しかも、
いろいろな栄養素が
熱帯魚みたいにその茂みを抜けて、

その先の臓器や組織の細胞に
向かうための通り道なんです。

そこは、
線維芽細胞がつくる不思議な場所。

線維芽細胞は、
コラーゲン、
エラスチン、
ヒアルロン酸、
を作る細胞なんです。

つまり、
線維芽細胞がしっかりと働かないと、
コラーゲン、
エラスチン、
ヒアルロン酸、
が作られず、

疎性結合組織がしっかりしないため
栄養素が臓器や組織に行き渡らない
ということになります。

疎性結合組織の主役は、
コラーゲンです。

コラーゲン繊維は、
線維芽細胞によって作られますが、
材料は私の著書でも書いてあるように
タンパク質、
鉄、
ビタミンC、
になります。

コラーゲンを作っているタンパク質の
アミノ酸の配列は特徴的です。

ーGlyー⚪️ー⭕️ーGlyー🔵ー⚫️ー・・

と、その1/3が Gly(グリシン)なんです。

更に
プロリン 
リジン 
というアミノ酸が、

ビタミンCの働きで水酸化されて

ヒドロキシプロリン、
ヒドロキシリジン、

となり、
これらがコラーゲン繊維の構造の
要になっています。

人体を支えるのは骨です。
関節には軟骨があります。
全身に血液を送る血管があります。
皮膚の下、
臓器の周り、
組織の周りには疎性結合組織があります。

これら全てには
コラーゲン繊維が必要になります。

皮膚は身体の表面を全て覆っています。
皆さん、
疎性結合組織の存在を
確かめる方法を教えますね。

手の甲の皮膚をつまみ上げて下さい。
皮膚が伸びましたね。

では、次に
つまみ上げた手を離してください。
皮膚が元に戻りましたね。

手の甲を見てみると、
血管が透けて見えます。

更に
グーを握って
手の甲の人差し指の付け根を見て下さい。

そして、
そこを凝視したまま
ゆっくりと人差し指を伸ばして下さい。

人差し指を持ち上げるロープ、
すなわち伸筋腱が分かりましたか?

腱は皮膚の下で自由に動けるんです。

血管だってコロコロ動けるんです。

これは、
疎性結合組織という
組織があるお陰です。

疎性結合組織がなかったら、

皮膚は摘んでも元に戻らず、
血管は見るたびに違う場所を走り、
腱も自由に動けずに
グーパーする度に摩擦が起こって
常に腱鞘炎状態になるだろうと
想像できます。

人体解剖の書物を見て、

"◯◯神経は🔵🔵と🔴🔴の間を通って、
⚫️⚫️の⭕️⭕️側に位置して・・・"

とかの記述が成り立つのは、
疎性結合組織がしっかりしているから。

神経や
血管や
腱は、
ある程度緩く固定されています。

お腹の中の内臓も同じこと。
腎臓がその位置にあり続けるのも、
腸が絡まないでいられるのも、
ある程度緩く固定されているからです。

この "ある程度緩く" 固定しているのが
疎性結合組織なんです。

私達の身体を
身体らしく機能させているのは、
疎性結合組織があってこそ。

皮膚に張りがある方、

分かりやすく言えば
           顔にシワが少ない方は、

疎性結合組織がしっかりしている、
つまり線維芽細胞が元気だということ。

顔にシワが増えてきたのは、
線維芽細胞が元気を失って、
疎性結合組織がだらしなくなっている、
ということになります。

ちなみに私は、
栄養療法を実践しています。

タンパク質、
鉄、
ビタミンC、
をしっかり摂取しています。

線維芽細胞の働きを良くするために、
ビタミンAをしっかりと摂取しています。

ビタミンAは中からと外から。

サプリメントで身体の中から、
ENVIRONスキンケアで外から。

疎性結合組織がしっかりしていれば、
身体の隅々まで栄養を供給できます。

身体中に張り巡らされている巨大な組織、
それが疎性結合組織なんです。

身体中のコラーゲン繊維を
常に丈夫に保つことが、

凄く大事なんだろうなー
と最近思っています。

今後は
コラーゲン関連の話を展開していこうかな
と思っています。

コラーゲンの世界も奥が深いので、
しっかりと伝えてみたいと思います。

あっ、
コラーゲンについては著書でも触れていますので、是非お読みになって下さい。