栄養療法実践整形外科医の今日の独り言です。

チュー" 皮膚のトラブル "、

えー" 便秘がち "、

ショボーン" 下痢気味 "、

患者さんの問診で
この3つのキーワードのうち
                        ひとつでも出たら、

私は必ず患者さんに GF を紹介します。

GF は Girl Friend ではありませんよ。

Gluten Free(グルテン除去食)です。


ウインク『小麦製品を
       食べるのをやめてね!』
 ↓
優しく、しかし、ハッキリと言います。

『パン、麺、餃子、シュウマイ、ホットケーキ、お菓子、クッキー、ケーキ、たい焼き、ワッフル、おまんじゅう はダメ!
でもね、ご飯はOKだから、お餅や大福、お煎餅やおかきは食べてもいいよ。』

これは、
糖質制限とはまた別の意味で
              大切な食事指導になります。

糖質制限にしろGFにしろ、
患者さん自身がやらなければならないため、

私達医療従事者が
       熱い気持ちで必要性をアピールして

患者さんに

 " やってみよう " 

と、ヤル気にさせなくてはなりません。


なにしろ、

パンが大好き、
麺が大好き、

なんて人に 

" パンや麺を食べるな " 

と指導するわけですから、

指導には大変なエネルギーが必要です。 


食事指導は重労働なんです。

実は、

食事指導は
       血液検査の結果説明よりも
                         数倍も重要なんです。


患者さんがGFの食事をするかしないかで、
人生そのものが変わるかもしれないから、

GFの食事指導は真剣勝負です。

そして、
食事指導が上手く行くと、
GFを頑張って実行した患者さんからは、

ニコニコ" 皮膚症状がよくなりました! "
とか

おねがい" 便秘しなくなりました! "
とか

爆笑" 下痢が治りました! "
とか

食事指導へのご褒美コメントが頂けます。


" 辛い症状は
      パン好きや麺好きのせいだったんだ "


って気づいてくれて初めて
私達の"mission complete"といえるのです。

何をどう食べるか、
これを教えるのは簡単です。

しかし、
それを実践させるのは超〜大変。

指導通りに実践していなければ、
しょうがなく再指導を行います。えー

なぜしょうがなくするのか?

なぜなら、

再指導するっていうことは
        患者さんがGFを実行していない、
つまり
       患者さんにヤル気がないからです。プンプン

GF指導は、
初回は誠心誠意を込めて熱く、
2回目はしょうがなくクールに、
3回目はありません。

なぜなら、
時間の無駄だから。

誠心誠意が伝わらない方に、
3回目はありません。

自分の身体を自分で治す気がない方は、
GFなんかしない方が幸せに暮らせます。

好きなものを好きなだけ食べられます。

GF指導のないところで
痒ければ薬をもらい、
便秘があれば便秘薬をもらい、
下痢すればまたその薬をもらって下さい。

しかし、
半信半疑でも、
1週間だけGFを実行して
                小麦製品を食べなければ、
何かいいことがあると思います。

小麦製品を食べていた時には
分からなかった事が、

小麦製品を食べなくなった
ご褒美のような事としてわかります。

では、
具体的にどうして小麦製品が悪いのか?

小麦に水を混ぜてこねていくと、
粘りが出てきます。

うどんのコシを出すには、
足で踏みつけたりもします。

このコシの元がグルテンです。

グルテンは 
小麦に水を混ぜて
(人が)こねることによって作られる
タンパク質です。

しかし困った事に、
人はこれを分解できません。

だからグルテンは
難消化タンパク質といわれます。

つまり、
消化できないという事は、
アミノ酸になれないから
                  栄養にならないのです。

更に悪い事に、

腸は免疫機能が高いために、
消化できないタンパク質を
              敵と認識してしまいます。

すると、
腸内で戦いが起こります。

その結果、
炎症が起こり、
腸の粘膜が荒れてしまいます。

粘膜が荒れると、
潤っていた大地が
        干ばつでヒビ割れるように、
                 腸の粘膜に隙間ができます。

これは、
悪者の侵入を防いでいる
腸のバリアが壊れた状態です。

スターウォーズの宇宙船も、
シールドが切れたら脆いものですが、

腸のバリアも破綻したら脆いですよ。

下痢、
便秘、
これは腸のシールドが切れています。

シールドが切れたら、
隙間から敵が流れ込んできます。

敵は容赦しませんよ。

グルテンだって入ってきます。

グルテンには麻薬と同じ構造があり、
習慣性があると言われています。

グルテンにやられちゃった人は、

" パン大好き "
" 麺大好き "

" こんなに美味しいものやめられない!"

と、なっちゃいます。

パン好き、
麺好き、
で、
下痢気味、
便秘がち、
の方、
なかなか小麦製品がやめられない方、

グルテンにやられちゃってるかも。

グルテンによる腸のバリア破壊は、
グルテンを
毎日食べていることで起こります。

食べたらすぐに蕁麻疹になるような、
アレルギーとはちょっと違うんです。

GFを紹介すると、
こんなことを言われます。

「子供の頃からずっと食べてきたのに、
なんで今頃症状が出るんですか?
小麦製品を食べるなって、食べるものがなくなっちゃいます。」

子供の頃から
小麦製品ばかり食べてきたから、
既に
グルテンにやられちゃってる方の主張。

この人の脳はグルテンに支配されてます。

グルテンを、
大好きなパンを、
大好きなラーメンを、
大好きスイーツを、

1週間だけ抜いてみてはどうでしょうか?

何かいい事があれば、
更に3週間やめてみませんか?

ひょっとしたら人生が変わるかも。

糖質の美味しい夏ですが、
是非、GFを試してみて下さいね。

では、また。