埼玉県 北本市 大友外科整形外科の
栄養療法実践整形外科医の今日の独り言です。
スキンニードリング、
ENVIRONモイスチャーオイルカプセル、
リフラップ軟膏、
ゲンタマイシン軟膏、
アミノ9、
ノベルジン。
湯たんぽで低温やけどを負って、
かなり深い足の潰瘍の患者さんが、
来院して来ました。
車椅子に乗って、
ピクリとも動かない高齢の女性です。
皮膚は乾燥してカサカサ、
下腿は粉がふいているような乾燥肌。
潰瘍は左足の外側に2ヶ所。
直径2cmのクレーターが2つ、
そんな見た目でした。
足はパンパンにむくみ、
潰瘍は悪臭もあり、
潰瘍の周りは赤く腫れあがり、
そのままにしたら
足が腐って切断もあり得る、
まさに最悪の状態でした。
付き添いの家族には、
ハッキリと明言しました。
『私のような小さなクリニックでは、対応ができないほどの重症です。入院して、手術も必要なくらいです。』
しかし、
女性は認知症もあり、
入院は難しいとのこと。
"先生、なんとかなりませんか？"
『お食事は、摂れますか？』
"はい。柔らかいものならば。"
『お薬は飲めますか？』
"はい。錠剤なら大丈夫です。"
『患者さんは大変栄養状態が悪いので、塗り薬だけではまず治りません。感染もありますが、抗生物質を飲める状態ではありません。少しお金がかかりますが、いくつかの治療を組み合わせれば何とかなると思いますが、どうしますか？』
"どうしたらいいですか？"
『傷を治すには、タンパク質と亜鉛が必要ですが、食事では得られませんので、サプリメントで補給します。アミノ酸（アミノ9）を朝晩食前に2包ずつ飲ませて下さい。水で溶いて飲めばいいんです。亜鉛は処方薬で夕食直後に1錠飲ませて下さい。』
"わかりました。"
『潰瘍は、皮膚がダメになっていますから、今からゴシゴシとダメな皮膚を取り除きます。多少痛いですが、頑張りましょう。その後、注射針で傷を滅多刺しします。わざと出血をさせます。その後で軟膏で覆います。絶対に傷は乾かないようにして下さい。』
私は家族が見守る中で、
クレーターのようにえぐれている
潰瘍の底を注射針で滅多刺しにしました。
しかし、
血がほとんど出ません。
最悪です。
しかし、諦めたら
目の前の患者さんも家族も救えません。
直径2cmのクレーターの底を、
100回以上は刺しました。
ほんのちょっとだけ血が滲みました。
軟膏で覆って、
次の処置を待ちました。
処置は月、水、金で来ていただき、
傷の滅多刺しを繰り返しました。
針での滅多刺しの治療は
スキンニードリングといいます。
出血させて、
血小板から成長因子を出させて
コラーゲン線維を作らせて
傷を治す方法です。
美容にも使われている方法ですが、
それを応用しました。
数回続けていたら、
クレーターの底に赤いプチプチが
いくつか見えてきました。
希望の塊、
肉芽です。
この肉芽を作るために、
クレーターの底を
何百回も滅多刺しして来ました。
『いい兆しが出て来ましたよ。アミノ酸もお薬も飲めているようなので、頑張りましょうね。』
その後も月、水、金で
滅多刺しを続けました。
日に日に肉芽が広がり、
大きくなって来ました。
針で刺すと、
すぐに出血するようになりました。
ここで、
アレを使うことにしました。
ENVIRONモイスチャーオイルカプセル‼️
モイスチャーオイルカプセルには、
タップリとビタミンAが入っています。
ビタミンAは正常な肌細胞を
どんどん作ってくれるんです。
スキンニードリングの後に、
モイスチャーオイルカプセルを
傷に塗り込んでいきます。
看護スタッフも ⁉️ です。
恐らく今まで
こんな治療は見たこともないはずです。
家族も同じでしょう。
しかし、
モイスチャーオイルカプセルを塗り始めて、
クレーターはどんどん浅くなり、
直径もみるみる小さくなっていきました。
処置をしていて私が気づいたんですが、
汚くて不健康な色をしていた足の爪が、
根元からピンク色の爪になっていました。
アミノ酸と亜鉛が、
効き始めたんです。
家族も看護スタッフも感動していました。
必要な栄養素を、
必要なだけ摂取する。
分子整合栄養医学の正しさを
証明できました。
今日、また処置をしましたが、
クレーターは無くなっていました。
傷は盛り上がり、
周りから綺麗な皮膚が入り込み、
90%治っていました。
家族が言いました。
"ここ数日で、一気に皮膚が盛り上がってきたんです。最初とは全然違います。先生、治る時って急激に良くなるんですね。"
患者さんも、
アミノ酸と亜鉛が十分補充できたので、
皮膚の乾燥もなくなり、
足のむくみも消え、
血色も良くなりました。
栄養さえ充分供給できれば、
状態は必ず良くなるんだと
また確信しました。
ENVIRONスキンケアシステムと
分子整合栄養医学のコラボで
また奇跡的な治療が完成間近です。
患者さんサイドも、
ドクターサイドも、
治すことを諦めなければ、
いい結果が生まれるんだなと思いました。
では、また。