埼玉県 北本市 大友外科整形外科の
栄養療法実践整形外科医の今日の独り言です。

今日の話は、

Scrap and Build。

バラバラにして、そして、作る。

私達の身体が毎日やっていることです。

私達の身体の中で
一番多い細胞って何だと思いますか?

赤血球です。
赤血球も細胞なので、
寿命があります。

赤血球の寿命は?

約120日でしたね。

だから、
120日前に作られた赤血球は、
今日壊されます。

そして、
壊れた分の赤血球が、
今日作られます。

寿命119日の赤血球は、
明日壊されます。

そして、
また壊れた分の赤血球が、
明日また作られます。

だから、
健康ならば赤血球の数は、
はいつも一定なんです。

私達は、
食事を摂ります。

何のためか?

毎日壊される古い細胞やタンパク質を
新しく作り直すためです。

細胞には核があり、
核の中にはタンパク質を作る設計図、
DNAがあります。

DNAは二重らせんになっています。

その二重らせんを解いて、
まずは1本の鎖にしないと、
タンパク質の設計図を取り出せません。

ちなみに、
DNAの二重らせんを解くために
必要なミネラルって、
何だかわかりますか?

亜鉛です。

たがら、
亜鉛が足りないと、
設計図が読めないために、
タンパク質が作れない事になってしまいます。

さて、
DNAの鎖が1本になったら、
m-RNAが設計図をコピーして
核の外に情報を取り出します。

設計図はリボソームと言う
翻訳機にかけられます。

翻訳機では、
コドンと呼ばれる
3つの塩基配列の暗号から、
1つのアミノ酸が選ばれます。

アミノ酸はt-RNAが運んで来ます。

そして、
アミノ酸がどんどんと繋がって、
ペプチドとなり、
やがてタンパク質となります。

細胞によって
作るタンパク質が違います。

胃の細胞はペプシノーゲンを作り、
膵臓のβ細胞はインスリンを作り、
腎臓の細胞はエリスロポエチンを作ります。

これらは皆、
アミノ酸が沢山繋がった
ポリペプチドです。

私達が食べた
肉、魚、卵、大豆
などのタンパク質も、
実はアミノ酸の塊です。

私達は食べたタンパク質を
消化によってバラバラにして、
アミノ酸に変えています。

アミノ酸は腸から吸収されて
身体中の組織に運ばれて、
組織中の細胞に行き渡り、
そこでDNAの設計図通りに
またタンパク質になります。

タンパク質は
身体を作ったり、
身体を守ったり、
本当にいろいろな事をします。

使い回していると、
タンパク質の性能が悪くなるから、
毎日作り変えが必要なんです。

だから、
毎日タンパク質を食べなくてはなりません。

特に、
成長期の子供たちは
沢山のタンパク質が必要です。

そして、
子供達の他にも
沢山のタンパク質が必要な方達がいます。

高齢者です。

つまり、
子供たちはBuild 身体を作るために、

高齢者はScrap 身体が壊れないために。

子供たちがタンパク質を摂らないと、
丈夫な身体が作れない。

高齢者がタンパク質を摂らないと、
壊れていく身体を立て直せない。

日々の生活でも、
いつもより沢山運動した時、
風邪をひいた時、
怪我をした時、
悲しい時、

何かが壊れて、
何かが足りない時、

タンパク質の摂取を

Scrap  and Build

からも考えてみましょうね。

では、また。