埼玉県 北本市 大友外科整形外科の
栄養療法実践整形外科医の今日の独り言です。

鉄は、
まず吸収され、
そして運ばれ、
組織で利用され、
最終的に貯蔵されることによって、
初めて足りたと言えるのです。

つまり、
鉄欠乏症(貧血)の治療は、
①鉄の吸収
②鉄の運搬
③鉄の組織利用
④鉄の貯蔵
の全てを満たさないと上手くいかないのです。

今まで数回にわたって
鉄について語って来ました。

鉄が私達の体内で利用されるためには
腸から吸収され、
そこから細胞や組織に運ばれ、
細胞や組織で使われて、
最終的には
しっかりと貯蔵されないといけません。

しかし、
鉄欠乏症の治療は本当に難しいです。

なぜなら、
人それぞれで身体の状態が違うからです。

”鉄が足りないのだから、
鉄を摂取してもらえばいい”
なんて甘い治療ができないからです。

胃薬を飲んでいたり、
玄米菜食だったり、
お腹を壊しやすかったり、
頑固な便秘があったりして、

鉄をなかなか吸収できない人がいます。

こんな方々には、
まず吸収ができるように導いて、

鉄を吸収できる胃腸にしてから
鉄を摂取して頂かないといけません。

この作業はかなり大変です。

手間暇かけないといけないので、
マジで大変なんです。

下痢も便秘も異常事態なんですが、
よくお腹を壊すからとか
子供の頃から便秘だからとか言って、
それが日常の事だと思ってはいけませんよ!

そして、
努力の甲斐があって、
晴れて鉄を吸収できるようになっても、

今度はタンパク質が足りないために

鉄を運び出したり、
鉄を運搬できない人もいます。

フェリチン、
セルロプラスミン、
トランスフェリンが足りなければ、

鉄は身体中にデリバリーされませんよ。

この治療もまた大変なんです。

鉄だけではなく
一緒にタンパク質の摂取もアシストしないと
鉄が使えないからです。

しかも、

タンパク質を消化するには、
胃酸が出ていないとダメですし、

更に

タンパク質の代謝には
ビタミンB群も必要なんです。

食事内容をチェックして、
食べるべきものや食べ方を指導する、

これも凄く手間暇がかかる大変なものです。

この治療(指導)成功の鍵は、
指導を受けた方が実践するかしないか、
全てはそこにかかっています。

指導を受けた方が
本気で取り組まなければ、
私はお手上げです。

ある栄養素が足りないと指摘しても、

その栄養素を食べてくれないと、
その方の身体にその栄養素は増えません。

治療が成り立つのは治療する側もマジ、
治療を受ける側もマジにならないとダメです。

しかし、
一所懸命に取り組んでも、
改善できないことがあります。

それは、
炎症があったり、
慢性の出血があったり、
子宮筋腫があったりなど、

鉄の吸収、
運搬、
組織利、
をうまくいかなくする悪い状態や
病気がある場合です。

このような方は、
どんなに鉄をたくさん摂取しても
鉄の利用や貯蔵ができません。

こんな時は、
炎症を抑えたり、
病気を治す事を
最優先にしなくてはなりません。

どうですか?

鉄だけを摂取しているあなた、

フェリチンだけが高くないですか?

トランスフェリンやヘモグロビンも
順調に増えていますか?

下痢や便秘があるのに、
鉄を摂り続けていませんか?

炎症や病気は隠れていませんか?

自覚症状は良くなっていますか?

正しい血液検査をしてもらっていますか?

あ〜、 

まとめ

なのにまとまりません。

数日間、
このblogを書き直していますが、
まとまりません。

こんな時は、
思い切ってこれでおしまいにして、
また新しく書きますね。


では、また。