埼玉県 北本市 大友外科整形外科の
栄養療法実践整形外科医の今日の独り言です。

私は整形外科専門医です。

かつては毎週のように、
頚椎症や腰椎椎間板ヘルニアなどの
手術をこなしていました。

30歳前半は武者修行に明け暮れました。

全国の凄腕脊椎外科医の手術を見学しに行っては、その匠の技を盗みました。

それぞれの技を組み合わせて、
いいとこ取りして自分のスタイルを完成させ、
まさに手術の職人として生きていました。

自分の手術に必要な道具も
わざわざ作ってもらいました。

あることをしなくてはいけない時に、
ある物が無くてはならないからです。

もし必要な物がその場になかったら、
1分あれば止まる出血も
30分かけても止まらないかも知れません。

何かあったら必ず対処できる用意を
万全にして置くことが大切なのだ、
と師匠達に教わりました。

38歳で開業するまで、
振り返ると700例以上もの手術をこなしました。

予期せぬ悪い事は滅多に起きませんが、
ヒヤリとする事は意外とあります。

私は何が起こっても、
必ず対応できる準備をして手術に臨みました。

だから、手術スタッフも教育しました。

脊椎の手術にはとても沢山の道具を使います。

〇〇と使いたい手術道具の名前を呼んで、
右手を出せば、
”パチッ” と道具が右手に手渡されます。

私も手術助手もナースも、
手術手順は頭に入っていますし、
使う道具や起こりうるヒヤリに備えています。

ある時、
手術中にある道具がなかった事がありました。

私『△△を出して下さい。』
ナース『消毒中で出せません。』

私『💢‼️嘘つくな!
〇〇号室の棚の上から3番目にあるのを今朝見て知っているから今すぐ持って来い!』

ナース『えーっ!なんで知ってるのー!
大将、怖すぎ!』

私は、
手術室で大将と呼ばれている事を知りました。

たまにサボるスタッフがいる事も想定済み。
職人ですから、妥協は許しません。

さて、
そんな私が開業して
かれこれ10年以上も経ちました。

そして、
脊椎外科医から
栄養療法実践整形外科医に鞍替えしています。

私は今も職人だと思っています。

怪我で来た患者さんを
縫わなくてはならない時に思う事は、
絶対に手を抜かずに丁寧に縫う事です。

丁寧な仕事をすれば、
素晴らしい結果が返って来るのを
職人経験から知っているのです。

一度針を通しても、
傷が0.3mmズレていたら気にくわないので
また縫い直します。

『2年前に怪我して先生に縫ってもらった所はすっかりキレイで、どこから見てもキズが分からなくなったよ。』

よく言われます。

当たり前です。

だって、そうなるように縫っていますから。

もう手術はしていませんが、
職人の腕は一生ものです。

.........


私は職人なので、
医療の内容にこだわりを持っています。

最近のスタッフを見ていると、
両極端です。

私がクリニックでやっている医療に対して、
興味を持って自ら勉強する人、
努力しないでただ日々を過ごす人。

観ていてわかるのです。

職人の私は自らの技術、技、人間性を
常に高める努力をして来ましたし、
現在も、
いや死ぬまで進化しようと思っています。

妥協したら職人ではなくなるからです。

だから、
私は自分を高めようとする人が好きですし、
そういう人とだけ付き合いたいです。

昨日の夜も焼き鳥を食べながら、
そんな友人と話しました。

これからも気の合う仲間と共に、
職人人生を貫いて行こうと思っています。

人生、楽しくありたいですものね。

皆さんはどうですか。

では、また。