埼玉県 北本市 大友外科整形外科の
栄養療法実践整形外科医の今日の独り言です。

身体が不調になるってどういうことか、
考えた事ありますか?

栄養自体が足りなかったり、
うまく酵素反応が進まなかったり、
ウィルスに感染したり、
実に様々です。

しかし、
共通しているのは、
その影に活性酸素による障害があるって事です。

つまり私達の身体は、
活性酸素が増えると不調になるという事です。

だから、
私達の身体は
この活性酸素を増やさないために、
活性酸素を消去するシステムも持っています。

人が作り出す唯一の抗酸化物質は、
前にもblogに書いた事がある尿酸です。

覚えていますか?

しかし、
尿酸だけでは活性酸素消去は手に負えません。

そこで私達の身体は、
抗酸化物質を味方にして、
活性酸素と闘っているのです。

抗酸化物質は沢山あります。
βカロチンなどのカロテノイド、
水溶性ビタミンのビタミンC、
脂溶性ビタミンのビタミンE、
他には
アスタキサンチン、
CoQ10、
αリポ酸、
などがあります。

活性酸素にも色々あります。

一重項酸素、ヒドロキシラジカルなどです。

一重項酸素はかなりの悪玉で、
これらの消去にはカロテノイドが有効です。

特に一重項酸素は光と関係が深く、
大事な眼の網膜を攻撃してきます。

ブルーベリーが眼にいいのは、
カロテノイド色素が豊富だからです。

水溶性ビタミンのビタミンCは、
細胞の内外の水成分で働いてくれます。

脂溶性ビタミンのビタミンEは、
脂質二重膜に入り込み、
主に細胞膜表面を守っています。

アスタキサンチンは、
細胞膜の外と中に貫いていて、
細胞膜の外側と内側の両方を守ります。

CoQ10は、
脂質二重膜の間に入り込み、
またミトコンドリアの中にも入り込み、
活性酸素から守ってくれます。

酸素を活発に使う場所に、
ミトコンドリアが沢山あります。

ミトコンドリアでは
活性酸素が発生しやすいため、
私達の身体の中では
特に心臓を守らなくてはなりません。

CoQ10は、
心臓を守るのに大切なんです。

更に、
これらの抗酸化物質は
お互いをサポートしているため、
抗酸化ネットワークを組んでいます。

さて、ひとつ抜けていました。

それは、αリポ酸です。

今日の主役は、αリポ酸なのです。

以前、何かのテレビ番組でαリポ酸を、
”疲労回復物質”
と紹介していました。

確か 

”渡り鳥の胸肉に沢山あり、
疲労することなく、
何千キロも飛び続けられるのは、
αリポ酸のお陰だ” 

という内容だったと思います。

このαリポ酸って、こんな奴です。
{D5D0FAD5-491A-4108-BEFE-56063F273850}

なんだか、単純でスマートだと思いませんか?

しかも、
酸化型、還元型の両方とも
抗酸化作用を持っているんです。

スマートな構造から、
αリポ酸は身体の全ての場所に入り込める、
素晴らしい抗酸化物質なんです。

脳には脳血液関門という関所があって、
血液を流れてきた物質はここで審査を受けて、
合格しないと脳の中には入れませんが、
αリポ酸はフリーパスを持っているため、
脳の中にも入れます。

だから、
脳梗塞後とか、
アルツハイマーとか、
脳の活性酸素障害に有効な気がしませんか?

それに、
図を眺めると
S-Sの部分がハサミみたいじゃないですか?

実は、
本当にハサミの役割があって、
キレート作用といって、
遷移金属を捕まえてくれます。

元素記号のZn、Cd、Hgなどです。

つまり、
身体に悪い有害な重金属も捕まえてくれます。

話は戻りますが、
抗酸化物質の助け合いは、
抗酸化ネットワークと呼ばれ、
下図のようにサポートし合います。
{A89E14A8-2750-485C-9F58-570BB3E6E3C3}

αリポ酸、凄くないですか?

老化は酸化と糖化で起こる事が
わかっています。

αリポ酸は、
大変優秀な抗酸化物質だと思います。

美肌には、
ビタミンCやグルタチオンがいい
なんて聞いたことありませんか?

そこにαリポ酸を加えたら、
もっといいと思いませんか?

事実、
ビタミンCとαリポ酸が一緒になっている
サプリメントがあります。

αリポ酸がビタミンCを助けて、
ビタミンCの血中濃度を保ってくれます。

しかも、
αリポ酸は非常に吸収されやすく、
細胞の至る所に到達できます。

あまり高くないし、
優秀なサプリメントだと思います。

抗酸化サプリメントのうち、
どれを摂ろうか迷ったら、
オススメのサプリメントのひとつが
αリポ酸です。

参考になりましたか?


では、また。