埼玉県 北本市 大友外科整形外科の
栄養療法実践整形外科医の今日の独り言です。

私のクリニックでは初診の患者さんには
問診票を書いてもらっています。

問診票で多いのが『膝の痛み』。

20〜30代の若さでも膝の痛みはやってきます。

原因はいろいろですが、
リーキーガット症候群もそのひとつです。

何?

なんじゃそりゃ?

わかっている方、
この言葉を聞いた事がある方、
あなたは凄い人ですよ。

なぜなら
お医者さんでも知らない方が多いのですから。

昨年、私の在籍していた大学病院の整形外科医局の忘年会に行った時、話した先生で知っている人はほとんどいませんでした。

関節痛など整形外科が扱う領域にも
関連しているものなのです。

どんなものかというと、
腸漏れって言葉をよく耳にしませんか?

前にも書いたブログの中に、
腸の網目が荒いというところが出ていましたが、
腸の細胞と細胞の隙間が開いて、
本当なら隙間を通り抜けられない物が
体内に入り込んで悪さをしてしまうのです。

病原体と身体の免疫細胞との戦いの残骸であるような免疫複合体が入り込み、
関節で悪さすれば関節痛や腫れになり、
ジョコビッチのように
グルテンが入り込めば体調不良になり、
普段なら便として身体の外に捨てたいものが
入って来てしまう状態です。

それが腸漏れ、リーキーガット症候群です。

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隙間から入ってくるのは、
実に様々です。

グルテンやカゼインのような
難消化性タンパク質。

カンジダや細菌。

毒素や免疫複合体。

口から身体に入り込んだ悪いものは、
普通は腸が中に入らないようにしています。

しかし、
腸そのものが荒れたり、炎症を起こすと、
免疫が破綻してしまいます。

腸は免疫のコントロールセンター的存在。

そこが壊れるのですから、
人体はたまったもんじゃありません。

頭から足の先まで、ありとあらゆる場所で
実に多彩な症状が出てしまいます。

頭痛、
耳鳴り、
顔湿疹、
身体や手足の湿疹、
蕁麻疹、
指の関節の痛み、
膝の痛みや腫れ、
まだまだキリがありません。

症状はなんでもあり。

だから皮膚科に行ったり、
整形外科に行ったりします。

皮膚科では軟膏が出ます。
整形外科では痛み止めや湿布が出ます。

治ると思いますか?

原因は腸の炎症ですから、
そんな治療は的外れなんです。

私は皮膚科も掲げていますから、
湿疹の患者さんも来ます。

リーキーガット症候群の可能性があるので、
私は皮膚科の患者さんにまず血液検査をします。

血液はなぜ湿疹が起こっているのかを
ちゃんと教えてくれるからです。

血液検査をよく見ただけで、
腸の炎症がありそうだとわかったら、
皮膚炎や湿疹に軟膏なんか出し続けません。

とりあえずの 
”アレルギーを止めるお薬” も出しません。

食事内容を聞いて、
リーキーガット症候群の原因を探し、
下痢がちな方には下痢を治す事、
便秘がちな人には便秘を治す事の大事さを
熱く指導します。

たいていの軽い腸の炎症が原因なら、
下痢や便秘が改善しただけで、
痒みが軽くなり、
肌が綺麗になって行きます。

私は特別な薬を処方するのでもなく、
原因を見つけて指導するだけ。

腸に炎症を起こす原因を口にしなければ、
腸や皮膚は自らの力で自分を修復するのです。

16歳位までの子供ならだいたい、
小麦製品、
乳製品
をまず1週間やめてもらえだけで、
痒みが大分引いてきます。

遅発性アレルギー検査をする前に、
もっと一般的な血液検査で
腸に炎症があることはだいたいわかります。

なかなか治らない皮膚炎、
なかなか治らない関節痛、
なかなか治らない何かをお持ちの方、
一度リーキーガット症候群を疑って
主治医に相談して下さいね。

では、また。