埼玉県 北本市 大友外科整形外科の
栄養療法実践整形外科医の今日の独り言です。

今日はメタロチオネインの話をします。

聞いたことありますか?

私は3年前に初めて耳にしました。

何だと思いますか?

良いものでしょうか、
それとも悪いものでしょうか。

何だか想像がつかないと思いますが、
これは体の中で大変重要な仕事をします。

英語表記では次のように書きます。

metallothionein

metalloは金属、
thioは硫黄(イオウ)、
neinはタンパク質。

メタロチオネインの正体は、
金属を捕まえるタンパク質です。

つまり、金属結合性タンパク質です。

身体の中で何をするか、
知りたくないですか?

亜鉛ーZn
カドミウムーCd
鉛ーPb
水銀ーHg
銅ーCu

身体の中で
メタロチオネインが捕まえる金属です。

亜鉛と銅は
私達の身体になくてはならない金属ですが、

あえて言いますが、

カドミウム、鉛、水銀

こいつらは悪者三兄弟です。

こいつらは、
飲み物や美味しい食べ物に
チャッカリと入り込んで、
私達の身体の健康状態を悪くします。

カドミウムはお米や紙タバコから、
水銀は大型の魚の脂身から、
鉛は染料や飲み水から、
コッソリと私達の身体の中に入り込んで来ます。

そして、
そこで一体何をするのか?

懐かしい元素の周期表を眺めて見ましょう。
                                                   ↓
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周期表の12番の列に注目しましょう。
なんと縦に並んでいるのは、
                   Zn
                   Cd
                   Hg

亜鉛ーZn は活性酸素を作りにくいため、
性格が凄くいい金属なのです。

身体の約300種類の酵素に必要な金属です。

特に活性酸素を作りにくいため、
遺伝子に関係する酵素を活性化するのに
選ばれた金属界のエリートなのです。

一方、
CdやHgは周期表の上ではZnの兄弟ですが、
残念な事に似ているのは見かけだけ。

実はタチが悪いのです。

CdやHgはなんとZnの振りをして、
亜鉛酵素に入り込むんです。

Znだと思ってCdやHgとくっ付いた酵素は、
酵素として働けなくなります。

酵素が働かなれば私達は体調不良になります。

そんな悪い金属を身体の外に出してくれるのが、メタロチオネイン。

悪い金属を身体に入れないのも、
メタロチオネイン。

メタロチオネインの勇姿はこんな感じ。
                                   ↓
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ちなみに図の青いのが金属です。
黄色いのが硫黄(S)です。
硫黄がなんと7つも金属を捕まえています。
これを亜鉛で満たすと健康に、
カドミウムや水銀で満たすと不調になります。

また、
こんな複雑なタンパク質を作るには、
普段の食事でタンパク質をしっかり
摂取しないといけません。

また、複雑なタンパク質の
立体構造を作るのは何でしたか?

SーS結合でしたよね。

どんなタンパク質が必要でしたか?

そう、
含硫アミノ酸が多い動物性タンパクでしたね。

牛肉には
タンパク質、鉄、亜鉛、ビタミンB群
が豊富なんです。

私がブログでステーキをよくUPする意図は
皆さんにも牛肉を食べて欲しいからなんです。

実は今日も牛肉を食べた私。

タンパク質はやっぱり大事なんです。

では、また。