埼玉県 北本市 大友外科整形外科の
栄養療法実践整形外科医の今日の独り言です。

納豆のいいところを3つ挙げるなら、

①納豆菌が善玉菌
②ビタミンKが豊富
③ナットウキナーゼが優れもの

だと私は思っています。

今日の話は②の続きです。


ビタミンKには、
ビタミンK1とK2があります。

植物によって作られるのが
ビタミンK1(フィロキノン)。
微生物によって作られるのが
ビタミンK2(メナキノン)。

ビタミンK2にはイソプレノイド側鎖があり、
側鎖の長さでMK-4〜MK-15に分類されます。

卵や鶏肉などにはMK-4、
特に納豆にはMK-7が多く含まれます。

MK-7って、
なんかカッコイイ響きじゃないですか?

戦隊の人気キャラみたいな響きで、
いかにも身体を救ってくれそうな感じです。


ビタミンKの構造式は、
{E652FA21-8DFB-4BC2-A147-3ADDA94072A0}

側鎖の二重結合の数が
1つなのがK1
4つなのがMK-4
7つなのがMK-7

この側鎖がイソプレノイド側鎖といいます。

私達の生体内でいいことをしてくれるのが、
このイソプレノイド側鎖なんです。

他にこのイソプレノイド側鎖を持つのは、
ビタミンA、
ビタミンE(特にトコトリエノール)、
コエンザイムQ10、
などがあります。

マニアックですが、
栄養療法実践整形外科医には
この面子がたまりません。

なぜなら、
みな大変重要な栄養素だからです。

あれっ?
気づきましたか?

気づいた方は、かなりの知識人です。

そうです、
ビタミンA、E、K、コエンザイムQ10、
全て脂溶性です。

だから、
油脂を避けている人は
これらの栄養素を摂取できません。

脂溶性ビタミンは食事ならば、
ビタミンAはうなぎ、レバー、バター、
ビタミンEはアーモンド、
ビタミンKは葉野菜、納豆、
に多く含まれます。

皆さん、
ちゃんと食べていますか?

私はあまり食べていません。 
いやいや、なかなか食べられません。

だから、
サプリメントで補っているのです。

食事で全て賄えれば理想なのですが、
現代の食材だけで必要な栄養素を摂ることが
出来ないからです。

サプリメント摂取の意義はここにもあります。


さて、
話を戻します。


ビタミンKの働きです。


私達の身体の臓器には、
ビタミンK依存性タンパク質があります。

でも、
ただあるだけでは
働きません。

その名の通りビタミンKに依存しているのです。

それらのタンパク質を働かせためには、
ビタミンKがないとダメなのです。

ビタミンKがやって来て、
ぼーっとしているタンパク質の肩を叩いて、
” 頑張ってね。” 
って、声を掛けると
” ヨッシャー!”と、
元気になったビタミンK依存性タンパク質が仕事をしてくれるのです。

ビタミンK依存性タンパク質って、
どんなものがあるかと言うと......

肝臓の凝固因子、
骨のオステオカルシン、
血管のマトリックスGlaタンパク質、
などがあります。

出血したら血を止める為に、
骨の質を高める為に、
動脈の石灰化を防ぐ為に、
ビタミンKはなくてはならないのです。

この作用を担うのがMK-4です。

しかし、
MK-4を摂取してもMK-4は増えません。

では、どうしたらいいのか?

実は、
MK-7を摂取することで
MK-4が増えて来ることがわかっています。

イソプレノイド側鎖が長いMK-7は、
長く血液中に残っていてくれて、
これが各臓器でMK-4に変化して、
身体にいい事をしてくれる訳なんです。

だから、
MK-7が豊富な納豆を
毎日食べる意義は高いと思います。

つまり、納豆は
怪我をした時の出血を早く止めてくれる、
骨を丈夫にしてくれる、
動脈硬化を防いでくれる、
副作用のない一石三鳥の天然のお薬なんです。


どうですか?

日本が世界に誇れる納豆を
毎日食べない手はないと思いませんか?

でも、
同じものを毎日毎日摂取すると飽きますよね。


だから、ここでお願いです。

美味しい納豆の食べ方があれば、
どなたかレシピを教えて下さいね!

美味しい納豆の情報もお待ちしています。


さて、次回はナットウキナーゼの話です。


では、また。