埼玉県 北本市 大友外科整形外科の
栄養実践整形外科医の今日の独り言です。

昨日はジビエ料理に舌鼓をうった私。
今日は楽しく岡山城を観光していました。
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しかし、
昨日の夜中から今日の昼過ぎまでは、
実は白い悪魔にやられておりました。

朝の目覚めは何となく頭重感があり、
酒も飲んでいないのに
まるで二日酔いのようでした。

恐らく私は寝ている間に血糖値が下がり、
前にも書いた食後の眠気、
つまり脳の気絶状態だったと思います。

あんなに美味しかったパン、バケット、
そしてバナナアイスクリーム。

調子に乗ってしまいました。

やっぱりあの食べ物達は、
白い悪魔でした。

私は自分の消化吸収能力を超えた糖質を
過剰に食べたため、
お腹の張りと鈍痛が起こっていたのです。

あの不快な痛みがまた現れました。

私が糖質を摂りすぎると、
まずお腹が張って太鼓腹になります。
明らかに腸の動きがわるくなり、
みぞおちからやや右側のお腹に鈍痛が来ます。

罰ゲームのような嫌な痛みなんです。

普段は糖質制限をして、
充分なタンパク質、食物繊維、
そして適度な脂質を摂っていると、
お腹はスッキリして
オナラや便の出がとても良いのです。

しかし、
昨日のように糖質過剰になると
オナラが出なくなり、
便秘や下痢はしませんが
排便後もスッキリしなくなります。

なぜだと思いますか?

糖質制限をしっかりしていると
上述した症状は出ないのに、
ラーメン1杯、
パスタ1皿、
カレーと一緒にナンを1枚、
これらをペロリと行くとお腹が張ります。

精神的なものじゃないの?
って、言う方もいるかもしれませんね。

でも、違うのです。

何で言い切れると思いますか?

私はお腹の調子が悪い時に、
自分で血液検査をした事があるからです。

つまり、
生化学的に何か起こっていないか?
を調べたのです。

そうしたら、
ある数値が上がっていたのでした。

それは、CRPでした。

これは明らかに身体の中のどこかで、
炎症が起こっているという事になります。

”糖質を過剰に摂ったからお腹が痛くなる”
という暗示で症状が出た訳ではないのです。

”糖質を過剰に摂ったら、身体の何処かで炎症が起こって、腹痛を起こしている” のです。

では、炎症は何処で起こっているのか?

私は名探偵コナンではないので、
すぐにこの難題を解決出来ませんでした。

さてさて、
炎症は何処で起こっているのだろうか?
犯人は一体誰なのか?


疑問は残ったままでした。


......



私は月に一回ですが、
埼玉県内で栄養療法実践医師として活躍されている大先輩のクリニックで開かれている勉強会に参加しています。

ある月に、
ちょうど運が良く私のお腹が痛い時があり、
私の血液検査データを持参して症状を話し、
私の身体で何が起こっているのかを
複数の栄養療法実践医師と
ディスカッションさせて頂きました。

そこで吟味されたのは、
炎症のフォーカスは何処にあるのか?
と言う事でした。

胆嚢炎も疑われたため、
実際にその場で
超音波で私の胆嚢を見てみましたが
肝臓も含めて異常なし。
(38歳の時に確認された脂肪肝の所見は、この時には全く見られていない事が確認されました。)

血液検査を注意深く見て行くと
タンパク分画でγ-グロブリンの数が多い
という結論が出ました。

γ-グロブリンの数値は
基準値内に入っているのですが、
総タンパクの数値から読み取れたのでした。

高いのはCRP,
CRPは肝臓由来。

腸に炎症が起こっている事で、
腹痛が起こり、
腸の炎症が肝臓を刺激して
CRPを上げていたのでした。

下痢や便秘になっているわけでもなく、
お腹が嫌な感じで痛くなる。

この時、お腹が張ります。
腸内細菌がガスを異常に作るのです。

良く腰やお腹のレントゲンを撮ると、
先生から言われていませんか?

『お腹の中にガスがいっぱいですよー。』

こういう方は、意外と多いのです。



以前、
栄養療法の勉強で聴いた講義にもあった
小腸内の細菌の異常増殖が元で起る不調、
これが私の腹痛の原因であったのです。 

原因は、
小腸内の細菌の異常増殖。
Small Intestine Bacterial Overgrowth
= SIBO(シーボ)といいます。

SIBOは、小腸内の慢性的な細菌感染です。

急性腸炎は、下痢や腹痛を起こします。
これは外から入り込んだ細菌などが、
腸の中で急に増えて起る急性感染ですが、
SIBOは、もともと腸内にいる細菌が
ちょっとだけ活発になって、
ガスをたくさん作ったり、
腸の動きを弱めたりして、
何となく不愉快な症状を出す厄介な病態です。

私は小さい頃から甘いのが大好きで、
胃酸が余り出なかったため、
胃で殺菌ができず、
生き残った悪玉菌が小腸内に増えたのです。

甘い物が多いとそれが悪玉菌のエサになり、
悪玉菌が元気になる事で
小腸内で発酵が起こってガスが作られ、
お腹が張って痛み出すという
変な事が必ず起る身体になってしまったのです。

悪玉菌は、
家の床下に住み着いた野生動物みたいなもの。

餌付けたために住み着き、
出て行って欲しくても、
出て行ってくれません。

餌付けたのは私です。

だから私は、
悪玉菌に余計なエサをあげてはいけないのです。

私が糖質制限を始めたのは、
SIBOだからです。

SIBOな私は、
やはりコース料理のデザートは
いつものように避けて
『よければチーズの盛り合わせを下さい。』
とお願いするべきでした。

美味しい料理をその時だけでなく、
後々まで楽しむためには、
決められたコース料理でも
食べる工夫が必要なようです。

皆さんも参考にして下さい。

では、また。