埼玉県 北本市の
栄養療法実践整形外科医の今日の独り言です。

先日、
『家族が進行癌なのでビタミンC点滴を受けさせたいけど可能でしょうか?』と言う問い合わせの電話がありました。

主治医からは、
『もうすることがないから、あとは好きな事をさせてあげて下さい。痛み止めだけ出しておきます。この状態ならば、もって数ヶ月です。』
と、言われたそうです。

私は整形外科医です。
癌の専門医ではありません。
普通なら整形外科医なんかに
こんな電話はかかって来ません。

しかし、
私は栄養療法実践整形外科医なので
癌であろうが何であろうが
栄養状態の悪い方の診察や治療をします。

だから専門科はあまり問題にしません。

今回はたまたま進行癌の患者さんでしたが、
どんな患者さんでも、
いつもやる事は同じです。

なぜその方の栄養状態が悪いのか、
今どんな事で困っているのか、
その困っている事を解決する手段は何か、
解決するにはどんな手段を用いたらいいのか、

つまり、

患者さんの出しているアラームサインを分析し、
アラームをピタッと止めるにはどうしたらいいのかを探り、その作業を実行していくのです。

しかし、今回は目の前に患者さんはいません。

高濃度ビタミンC点滴が可能かどうかは
電話では判断できません。

だから、予約して来てもらうようにしました。

.........

患者さんは、
満足に動けず椅子に座ったまんまでした。

いくつか問診しました。

〜どこか痛いですか?〜
患者『いいえ。』
家族『いいえ、うそです。いつも痛がっています。』

〜今、辛い事はありますか?〜
患者『いいえ、ありません。』
家族『えーっ!いつも怠いって言っています。』

〜ちゃんと食べていますか?〜
患者『はい。』
家族『いえいえ、先生、食欲がないと言って何も食べません。』

顔は血色が悪く、
座っているのもやっとに見えます。
目は虚ろで、
家族は”目力がなくなって来た。”
と説明してくれました。

進行癌の内容は、
肺、肝臓、背骨に転移があるとのこと。

診察していく中で、
今回の患者さんのアラームサインは
主に4つでした。
①夕方になると痛みが強くなり動けない

②食欲がない

③元気がない

④だんだん弱って来た

この4つの症状に対して、
患者さんの主治医の対応は

①については、
2種類の痛み止めを出しています。
麻薬性及び非麻薬性の鎮痛剤です。
麻薬を必ず飲むように、
麻薬ではない痛み止めは
痛い時に飲むように指導されました。

②③④については打つ手がなく、
『もうこれ以上はすることはない』
とコメントしたのです。

患者さんと家族はこの時点で医療難民です。

ここから家族は苦しむ患者さんのために

”何とかならないか?” と、

藁をも掴む気持ちになり
いろいろな情報を集めて
私のクリニックにたどり着いたのでした。

それまでの時間のロスは
苦しむ患者さんにすれば、
とっても大きなものになります。

持参してくれた採血データが
それを物語っていました。

腫瘍マーカーも時間とともに上がっています。

家族はグラフを指差して、
『この辺りから食欲がなくなって来ました。そしたら、マーカーが上がって来ました。マーカーは上がる一方です。』
と、解説してくれました。

私はすかさず質問しました。
〜本人には、何を食べさせていましたか?〜
家族『お粥です。』
私『だから癌が勢い付いたんですよ。』
家族『えっ⁉︎』

”癌がどういうものか”
を長々と家族にレクチャーし、
これからの食事、
摂るべき栄養、
動くことの重要性を解説しました。

説明を聞いた家族は、

『.........知りませんでした。癌を診てもらっていた先生は、そんな事は教えてくれませんでした。』と仰りました。

そして、言葉を続けました。

『先生、誰かいい〇〇癌の専門の先生を紹介して下さい!』


私は困りました。
そんな先生を知らないからです。


例え紹介しても『△△先生に診ていてもらっていたなら、そちらに行って下さい。』と言われると思いますと、現実をお話ししました。

ブログやFacebookで素晴らしい癌治療を発信している先生がいることを紹介しましたが、

『遠くて行けない...。』とのこと。

私は、前述した②〜④が癌細胞が出す
サイトカインなどによるものであること、
担癌宿主である患者さんの
身体の代謝が癌に都合が良くなっていること、
そしてこれらを
ビタミンCが改善してくれることを
説明しました。

.........


リクライニングシートに横になってもらい、
高濃度ビタミンC点滴を患者さんに行いました。

点滴を開始してわずか10分、
もう変化が出ました。

顔色が良くなりました。

そして、
冷たかった手が温かくなりました。

家族に手を握ってみてくださいと促すと、

      『    ‼️    』

『先生!
   こ、こんなに早く効果が出るんですか⁉︎』

と、大変驚かれていました。

そして、

患者さんが

『なんだか気分がいいなぁー。

とハッキリとした声で喋り出しました。

私の新しいクリニックスタッフは、
高濃度ビタミンC点滴を受けた
患者さんの変化を目の当たりにして

”全然別人ですね。”

と、驚いていました。



ビタミンCが炎症性サイトカインを抑え、
代謝を変えてエネルギーを作り、
②〜④の症状を45分で改善したのです。

高濃度ビタミンC点滴の衝撃を
目の当たりにしている医療従事者は
日本にどれ位いるのでしょうか?

そもそも整形外科医がやる仕事でしょうか?

なぜ私が実施しているのでしょうか?

理由は簡単です。

私の患者さんが癌になったら、
こんな方法もあるよ
と教えてあげられるからです。

科は関係ありません。

医師がやるか、やらないかです。

ビタミンC点滴で癌は消せませんが、
癌によって起こる悪いことに対応することができます。

一医療従事者として、高濃度ビタミンC点滴が
もっと広く広がることを切望しています。

癌の医療難民が1人でも減るように願います。


.........


ビタミンC、ビタミンC点滴がもたらす効果などは、今後また書いて行こうと思います。

では、また。