埼玉県 北本市の
栄養療法実践整形外科医の今日の独り言です。

釣り好きな弟が痛風であることを
Facebookで知りました。

しかし、尿酸値が上がらないように
食事にも気を遣っていることも
Facebookから伺えました。

しかし、時々

『痛風が出た!』

の記事が出て来ていました。

父の十三回忌の法要の時、
弟に会えたので直接本人に聞きました。


弟『夏になると痛風が出るんだ〜。』

弟の顔を見ると真っ黒!
釣り好きのため、
いつも船の上にいるからです。

私『日焼け対策はしているの?』
弟『していない。』
私『日焼け対策をして、ビタミンCを摂れば、痛風発作は出なくなると思うよ。
弟『えっ?なんで?』
私『実は...。』

私が弟に説明したことを、
これから書きますね。

日焼けって、どんな事かと言うと、
紫外線による皮膚のトラブルです。

紫外線は皮膚細胞を直接攻撃し、
身体の中に活性酸素を増やします。

紫外線が肌細胞を壊し、
さらに活性酸素が肌細胞を壊します。

しかし、
人間の方もやられっぱなしではありません。

紫外線から肌を守ろうとします。

紫外線の攻撃をかわすために
肌細胞にメラニン色素沈着を沢山作って
天然の日傘を作ります。

肌を黒くして、少しでも紫外線を浴びないようにしているのです。

これが日焼けです。

       ❓

『なんで、痛風発作と関連するの?』

って、思いませんか。


身体の中では別の闘いが起こっているのです。

紫外線がもたらすもう一つの脅威、
活性酸素との闘いです。

活性酸素(フリーラジカル)は、
紫外線がもたらす厄介な置き土産です。

有害ゴミの不法投棄みたいなものです。
周りにあるものを手当たり次第に壊します。

どうやって周りのものを壊すと思いますか?

周りの分子を酸化させて、
役に立たなくするのです。



活性酸素(フリーラジカル)
             ↓
  A    →     A'
                          ↓
           活性酸素(フリーラジカル)
                           ↓
           B    →     B'
                                       ↓
                        活性酸素(フリーラジカル)
                                       ↓
                          C      →   ...

図のように活性酸素は
分子Aを役立たずのA'に変えてしまいます。
役立たずのA'は悪者になり、
別の活性酸素を放出します。
それが分子BをB'に変え、別の活性酸素がCを...

と、活性酸素はなかなか消えず、
次々に細胞を壊していきます。

細胞が壊れると、核が壊れ、
核の中のDNA、RNAが壊れます。

DNA、RNAつまりプリン体が増えるのです。

皆さんがよくご存知のプリン体です。

プリン体が増えれば?

はい、そうです、
尿酸が増えるのです。

これでなぜ日焼けをしたら、
弟は痛風になるか分かったと思います。

しかも、夏になると発作が起こるのは、
紫外線が強いから、しかも船の上ですからね。

まだ、話は終わっていません。
説明は残っていますから、続けます。


尿酸って、
なんの意味があると思いますか?

皆さん、
プリン体、尿酸は悪者だと騒いでいますが、
悪者呼ばわりしていたら痛い目に遭いますよ。

なぜなら、尿酸は
一番の悪者である活性酸素を打ち消してくれているエリートだからです。

人間にとって大切な遺伝情報を持つDNA、RNAが
壊されたということは、
身体の中でヤバイことが起こっている事をあらわします。

お城でいえば、
いきなり本丸を落とされたのと同じです。

DNAはお殿様、RNAは長男。

それが撃たれたらお家断絶です。

お家断絶はなんとか防がないといけません。
殿様お付きの精鋭部隊が立ち上がります。

尿酸です‼️

{479ACF6A-F562-475F-9690-76F075EEAD55}

なんか、化学構造式がカッコよくないですか?

これが下のように変化します。
{B965C3D6-2044-45F7-9E61-82B3C614C835}

矢印が行き来していませんか?

尿酸は左右に入れ替わりながら、
酸化と還元という化学反応によって
活性酸素を減らしているのです。

しかし、
敵が多いと尿酸だけで太刀打ちできません。
援軍が必要です。

援軍って、誰だと思いますか?

これが、私が弟に話したビタミンCなんです。

{872D8055-D773-4296-9B42-B57EEBEA8A51}

ビタミンCは前にも話した、
青字のエンジオール基を持っていますよね。

エンジオール基、
これが対活性酸素の最強レベルの武器なのです。

実は、尿酸は人間が作ることができる
唯一の抗酸化物質なのです。

しかし、働きはやや弱め。
だから援軍を呼ぶ必要があるのです。

援軍は実は意外とたくさんあります。
ビタミンB、C、E、アルファリポ酸、グルタチオンなど。

尿酸が上がるということは、
身体のどこかで細胞が壊れているという事です。
そして、援軍がいないという事でもあります。

つまり、
栄養素の不足があることにもなります。

私は比較的安くて効果がある
ビタミンCとアルファリポ酸のサプリメントを
弟に摂取してもらいました。

その後、
弟は痛風発作に襲われることがなくなりました。

釣りに行く時も日焼け止めを塗り、
ビタミンCを飲んでいるからです。

今日から皆さんの尿酸に対するイメージが変わってくれると助かります。

尿酸上昇は細胞が壊れているサイン。
尿酸は私達にそれを教えてくれています。

それを無視したら痛風が起こります。
痛ければ治そうとしますからね。

痛風発作が起こる前にビタミンCを摂るなどの対策をして自分の身体を助けてあげて下さいね。

まだまだ、尿酸についての話は尽きませんが、
今日はこの辺で。

では、また。