埼玉県 北本市の
栄養療法実践整形外科医の今日の独り言です。

”怪我しないために”  シリーズ その1 です。


    〜大事なウォーミングアップ〜


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毎年、夏から秋にかけては
整形外科は怪我人で溢れ返ります。

今、小中学生の日常は大変ハードです。

何がハードだと思いますか?

学校行事や部活や習い事で
一杯一杯なんです。

サッカーや野球、
水泳やバドミントン、
ダンスやバレエ、
おまけにお習字、ピアノに学習塾。

子供によってはサッカーやバスケなどで
部活とクラブチームの掛け持ちをしています。

ただでさえ多忙なのに、
学校行事として陸上大会、球技大会、運動会、
さらには持久走などが組み込まれて来ます。

休んでリカバリーする時間がありますか?

しかも、
夏休みになるとさらに増えるんです。

何が?

練習量です。

指導者達は、
時間のタップリ取れる夏休みを使って、
ここぞとばかりに普段できない練習を始めます。

怪我をする子供を診察して
血液検査をすることで分かったことなのですが、
子供の身体は皆さんが考えているほど
丈夫ではありません。

身体を休めていないので、
疲労が溜まって怪我し易くなっているのです。

それでも子供達は動かなくてはなりません。

練習前はかなり身体が重いはずです。

では、練習で怪我をしないために
まず必要なことは何でしょうか?

準備体操、
つまりウォーミングアップ(アップ)です。

怪我予防には一番大切な事なのですが、
かなりいい加減な扱いを受けている気がします。

こんな事になっていませんか?

〜練習前には監督やコーチが来る前に
       各自で準備運動は済ませておくように〜

正しいウォーミングアップをできる子供は
一体どれくらいいるのでしょうか?

指導者の皆さん、考えたことはありますか?

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今、
活躍しているアスリート達はどうでしょうか、


ウォーミングアップをとても大切にしている
大変有名な選手と言えば?

私が真っ先に思い浮かぶのは、
イチロー選手です。

イチロー選手のウォーミングアップ映像は
テレビで見たことがあると思います。
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イチロー選手が怪我で離脱したニュースって、
聞いたことがありますか?

私は記憶にありません。

40歳を超えても怪我をしない身体は驚異的です。

イチロー選手はアップをこなすことで
自分の身体と対話しているのだと思います。

必ずアップを行うことで、
身体の疲れ具合や好不調を判断しているのだ
と思います。

衣笠選手や松井選手のように
連続出場を続けるのも驚異的ですが、
イチロー選手はスタメンから外れて、
適度に休養を取っています。

身体をベストに保って
パフォーマンスを維持しています。

イチロー選手は”50歳まで現役” を掲げていると
聞いたことがあります。

それは、
”50歳まで怪我をしない身体でいる”
ということだと思います。

イチロー選手が
怪我をしないためにしなくてはいけない事、
それがウォーミングアップなのです。

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小中学生にはまずウォーミングアップの大切さを知って欲しいと思います。

そして、指導者は子供達に怪我をさせないための方法を是非教えて欲しいと思います。

子供が1人でも怪我したら、
指導者としては失格です。

子供が怪我をしたら、
どうしてその子が怪我をしたのかを是非考えて欲しいと思います。

ウォーミングアップに重点を置けば、
将来イチロー選手のようになれる子も
増えて来るのではないかと思います。

皆さんは、どう思いますか?

では、また。