埼玉県 北本市 大友外科整形外科の
栄養療法実践整形外科医 大友通明です。

人の体にとって
脂質(油)は基本的に安全なもの
と認識されています。

だから
身体は脂質を拡散という方法で吸収します。

つまり腸は食べた油を
フリーパスで身体に取り込むのです。

もちろん他の栄養素と同じで、
油を吸収するにはそのための手順があります。

油を吸収するには、
まず乳化(ミセル化)が必要です。

ミセル化?

わかりますか?

要するにドレッシングです。
かき混ぜる前は上に油の層がありますが、
振ると均一に混ざります。

ドレッシングを振って、
油と水を均一にすることが乳化(ミセル化)する
ということです。

油の塊を油の細かいツブツブにする訳です。

こうすることで油は吸収されやすくなります。

ドレッシングは容器を手で振りますが、
お腹の中には手がありませんね。

お腹の中の油をかき混ぜるのは?

そうです、胃袋です。
胃は物を入れる容器であり、
それをかき混ぜる手でもあります。

胃を動かすのは?

そう、筋肉です。
{523D7810-98B8-4DCD-9E33-E473FD271979}

図を見てもわかるように、
胃はあらゆる方向に動けるように
筋肉が発達しています。

その筋肉を使って、胃はこう動きます。
{8185CF99-E12A-4BB3-AEB9-789EB89A4D71}

しかし、胃を自分で意識して動かせないため
筋トレができません。

胃の筋肉が弱いとどうなると思いますか?

食べ物は混ざりません。

だから、
胃の筋力が弱っている人が 
胃もたれを起こすのです。

前にも書きましたが、
胃はタンパク質が入って来ないと
胃酸が出ません。

胃酸が出ると始めて活発に胃が動き出します。

だからパン、麺、ごはんや油では
胃が胃酸を沢山出さないため、
胃はあまり動かず
食べ物をすぐに十二指腸に送ってしまいます。

胃が動く回数が少ないため、
このようなものばかり食べていると
胃の筋肉は痩せて行きます。

タンパク質をよく食べると
下の図にある幽門括約筋が締まって、
胃酸が沢山出て、
胃も活発に動いて
胃の筋肉も発達します。
{CAC59FA1-5E97-42C3-BCF3-7A2F4632DF46}

胃の筋トレは意識的に出来ない
と言いましたが、
意識的にタンパク質を摂取することが
胃の筋トレになります。

また、タンパク質を摂取すると
胃酸がしっかりと出るようになります。

胃が丈夫な人は ”胃の症状がない人” ではなく
”タンパク質をしっかりと消化できる人” です。

〜続きは後編へ