埼玉県 北本市 大友外科整形外科の
栄養療法実践整形外科医 大友通明です。

分子整合栄養医学(栄養療法)を学んだからこそ、
治療ができた頑固な手湿疹のお話しです。

20代の女性。
両手のひら、手の甲、指の皮膚炎がひどくて、
皮膚科で軟膏を処方され塗っていましたが、

全く無効。

皮膚は全体的に分厚くなり、
痒くて掻き壊して血が出ているところも...

しかし、不思議でした。

手首から体に近い方は大変綺麗なのです。

何処に行っても治らなくて、
私のクリニックのHPを見て来てくれました。

私は整形外科専門医ですが、
皮膚科も標榜しています。

だから患者さんは、来院して来ます。

皮膚科の専門医の処方でも
状態が改善してないのですから、
専門医に相談して下さいなんて、
絶対に言えない状況でした。

でも、私は栄養療法実践整形外科医なので、
あまり専門科は関係ありません。

なぜなら、身体のアラームサインが
今回の場合痛みではなく、
治りにくい湿疹に変わっただけですから、
アラームの鳴っている原因を探るため、
迷わず血液検査をしました。

そして、出ました。
CRPが高かったのです。

身体はどこかに炎症を持っています。

詳しく問診(聴き取り調査)をしたら、
それらしき事がわかりました。

『左下の歯が痛くて、2ヶ月かかって治して、この前やっと被せてもらったんですよ。』

私は追い討ちをかけました、
『その頃から、皮膚が荒れて来たのではないですか?』
そうしたら、患者さんが
『えっ?あっ、そうかも...。あっ、そうです!歯に被せてからです。』

炎症の原因がわかりました。

この患者さんの歯の被せものの下に虫歯菌が生きているのです。それが炎症の原因で、虫歯菌から出ているヤバイ物質が患者さんの身体の中を巡り巡って、それを教えたくて治りにくい手湿疹というアラームが鳴っていたのです。
『歯医者さんに行って、被せものをとってもらい、場合によっては抜歯もしてもらった方がいいかもしれませんよ。』
私は患者さんに伝えました。

数週間後、患者さんが来院しました。

両手を見せて開口一番、
『先生、原因は歯でした。』

えっ、
でもまだ手は完治していません。
すると、患者さんが話を続けました。
『歯医者さんに行って、被せものをとってもらったら、嘘のようにすっかり手が綺麗になりました。でも、炎症が取れたからと言われて、また被せたらまた湿疹が出て来て...。
もう、歯を抜いた方がいいのかな?
私、いつもCRPって高いんですよ。』

残念ながら、
抜いた方がいいのかは私には判断できません。
栄養療法実践歯科医師に相談されたらいいのですがと、お話ししました。
このサイトを紹介しました。

栄養療法実践歯科医師の先生が書かれた書籍をご紹介します。
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私たち栄養療法実践医師、栄養療法実践歯科医師は医科歯科連携が大切だと考えています。

皆様の健康の一助になれば幸いです。

...

さて、もう少し。
今日のblogはまだ終わりません。

今日のまとめに入ります。

この患者さんの体を森に例えましょう。

今回は森の中の数本の木だけに
異常が起こったとしましょう。
皮膚炎ですから、
葉っぱに白い班が出たようなものです。

よく見るとある種類の木だけに症状があり、
この木に詳しい専門家を呼んで
対応をお願いしたところ、

『原因はよくわからないがとりあえず
葉っぱに色素が戻る効果のある薬を撒こう』

という事になりました。

しかし、全く無効。

そのため、また別の専門家に見せました。

『原因はやっぱりよくわからないので、
今度は葉っぱが元気になる薬を撒こう』

しかし、これも無効。

さて、どうしたものか?

この木は専門家でもわからない
奇病に罹ってしまったのでしょうか?

森の管理者は困ります。
誰に相談しようか。
ネットで探したら、
『わからないことがあれば、とりあえずご相談下さい。』という書かれた、
なんとなく森に詳しそうな人のコメントに出会いました、コンタクトをとりました。

その方は現場を見たいといいました。

現場では、
その方は問題の木をチラ見しただけで、
うんうん頷いてから森全体を眺めました。

時間をくれと行って1週間、
原因が分かったといいました。

昔、森の端っこに工場があって、
地中に廃材が埋まっていると言います。
廃材から何か悪いものが流れ出て、
例の木だけかやられているに違いない、
と言います。

森の管理者はお金をかけて、
その場所を掘りました。

なんと、廃材が本当に埋もれていました。
そこから、なんだかわからないけど
液体が漏れていました。

取り除いたら、
例の木の葉が青々とした緑に変わりました。

...

よく、こんなことを聞きませんか?

『木を見て、森を見ない』

今目の前で起こった事ばかり見ていたら、
その原因はわかりません。

この患者さんの治療もそうでした。

皮膚炎の原因は、
口腔内の炎症から来ていました。

ここに私がたどり着けたのは、
栄養療法を学んで実践しているからです。

私は、検査をしてアドバイスしただけで、
何も薬は処方していません。

でも、患者さんはよくなりました。

今回も栄養療法実践整形外科医の診察方法を理解していただけたら幸いです。

まだまだ医師も患者さんもご存知ない栄養療法ですが、地道に広めて行きたいと思います。

皆さんも身体のアラームサインを見逃さないで下さいね。

では、また。