埼玉県 北本市 大友外科整形外科の
栄養療法実践整形外科医 大友通明です。

物を持っただけで、
マウスをクリックしただけで、
ペンを持っただけで、
肘が痛くてなかなか治らない。

これが整形外科で大変多い
テニス肘です。

上腕骨外側上顆炎といって、
肘の外側が痛くなります。

そこには手首を反らしたり、
指を伸ばしたりする、
筋肉がついているところで、
指や手首の動かすときに支点になっています。

だから使いすぎると
筋肉と骨の結合したところが悲鳴をあげて
痛みを出します。

コピー機でいえば、前にも書いた、
『トナーが不足です。』
という、アラームサインです。

身体が出すサインは、
だるさとか、
痛みとかで出ることが多い気がします。

例えば、
首が痛いという
整形外科の患者さんの痛みもいろいろあります。

レントゲンを撮っても、
MRIを撮っても、
原因がわからないこともあります。

だけど、
痛いというアラームが鳴っているのだから、
目の前で鳴っているアラームを
何とか止めないといけないのです。

アラーム解除の方法も沢山あります。
ボタンを戻すだけでとまれば簡単です。

単純な痛みなら、痛み止めや湿布で止まります。
でも、慢性化した痛みは解除方法が複雑で
2段階や3段階の作業が必要になります。

テニス肘の痛みも痛くなってすぐなら
痛み止めや湿布でOKなのですが、
痛みが出てから数ヶ月も治らない、
そんな痛みが大変です。

このような患者さんは、
『薬や湿布では治らない』
『前はすぐに治ったのに、
今回は全然よくなりません。』
『始めのうちは湿布が効いたのに、
最近全く効きません。』
と、困り果ててクリニックにやって来ます。

この状態を分析してみましょう。

始めのうちは、
患者さんに治す力があったのです。
しかし、
繰り返すダメージで治す力が及ばなくなり、
治すことが出来なくなったのです。

組織が壊れたら、
そこを修復しなくてはならないのですが、
治すためには材料が必要です。

材料には多少のストックはありますが、
ストックを使い果たしたら修復できません。

材料は常に補わないと、
修復工場は動きません。

こういうのが、
2段階のアラーム解除が必要な状態です。
つまり、アラームは2つ鳴っているのです。

使いすぎて『痛い』というアラームと、
材料がないから治せないで『痛い』というものの2つのアラームです。

これを治すなら、
痛み止めや湿布だけでは無理です。
材料を供給しなくてはダメなのです。

では、何がたりないのか?

筋の付着部の痛みは、鉄でしたよね。

テニス肘の方の鉄不足は、
血液検査で明らかです。

私は栄養療法実践整形外科医なので、
慢性化したテニス肘の方の血液検査を
必ず行います。

テニス肘が慢性化する方は、
運動大好きな人、
忙しくPC作業をしている人、
パートなどで同じ動作を繰り返す人、
が多いです。

しかし、
赤身の肉やレバーはほとんどの患者さんが、
食べていません。

ーお肉を食べていますか?
『はい。』
ー何の肉ですか?
『鶏肉と豚が多いです。』

残念‼️

鶏肉は白、豚肉はピンク。
赤身ではないので、
鉄が少ないのです。

鉄の色は、赤、というより赤黒いので、
やはりレバーが一番です。

慢性化したテニス肘の痛みを
強引にとる方法があります。
麻酔薬を痛み止めと混ぜて、
痛いところに注射するのです。

しかし、根本治療ではありません。
痛みは数時間から数日は取れますが、
注射で鉄が補えるわけではありません。

鉄欠乏を補うには、
やはりサプリメントが安全で早いと思います。

鉄は健康保険で出るものは副作用があるため、
栄養療法実践整形外科医の私は処方しません。
なぜなら、医療には
『何はともあれ、人を傷つけるな』
という、鉄の掟があるからです。

わたしは、
サプリメントにしかないヘム鉄を出します。

しかも、誰でも買えるものではなく、
医師が治療に使えるレベルのものを使います。

しかも、至適量といって、
採血データから判断して摂取量を決めます。

必要なときに、
必要なものを、
必要なだけ、
摂取する必要があります。

材料が十分あれば、
あとは工場が動いてくれますから、
材料が足りないというアラームが消えて、
そして『痛い』といアラームが消えます。

鉄が十分あれば、
めまい、
立ちくらみ、
頭痛、
冷え性、
こんなアラームもついでに消えて行きます。

鉄欠乏と痛み、
今回はテニス肘について書きましたが、
なるほどと思ってくだされば、幸いです。

何か、慢性的な状態がある方、
是非、栄養療法実践医に相談してみて下さい。

では、また。