埼玉県 北本市 大友外科整形外科の
栄養療法実践整形外科医 大友通明です。
いつもなんとなく食べているもの...
糖質にあふれていませんか?
...
そういえば、
炭水化物と糖質、
まずは正しい言葉の意味を
理解して欲しいと思います。
炭水化物 = 糖質 + 食物繊維
知っていましたか?
多くの人は、
炭水化物=糖質
と思っているのではないでしょうか?
食事で大事なのは、
炭水化物の食べ方なのです。
『食物繊維を沢山摂りましょう』
『糖質の摂りすぎはいけません』
実は同じ意味なんです。
炭水化物の食べ方 = 糖質 < 食物繊維
が、理想なのです。
だから、
『炭水化物は人間に必要だ』
『糖質制限が必要だ』
という一見矛盾する意見も、
両方正しいのです。
専門家は、
炭水化物=糖質+食物繊維
ということをご存知。
一般の人は、それを知らないだけ。
だから、どっちが正しいの?だなんて
混乱を招くことになります。
物事の判断は正しい知識があってこそなのです。
...
ジャ〜〜ン‼️
では、本日の本題です。
過剰な糖が身体に悪い訳。
まずは、ホットケーキの話です。
小麦粉に水と卵を入れてかき混ぜて、
バターを溶かしたフライパンに流し込み、
生地の表面に気泡が出来たら、裏返す。
すると、
あれっ?
キツネ色にならない!
美味しそうな匂いがしない!
ホットケーキが出来ていない⁉︎
何故でしょうか?
最初に書いたレシピに足りないもの。
何でしょうか?
砂糖です。
レシピに砂糖を加えたら、
いつもの色、匂いが出てきます。
なぜか?
それは、
料理人ならすぐわかる化学反応です。
その反応は、
メイラード反応
と言います。
タンパク質と糖の存在下に熱を加えると、
糖がタンパク質にくっつきます。
そうすると、
元々のタンパク質が別物に変わります。
小麦粉のタンパク質が砂糖によって別物に変わることによって、ホットケーキが出来るのです。
これは別の言い方で、
小麦粉のタンパク質が糖化を受けた
とも言います。
糖化は、別名でグリケーションとも言います。
タンパク質と糖と熱があれば、
糖化(グリケーション)は起ってしまいます。
これは当たり前のように、
私達の身体にも起こってしまいます。
頑張って、解説してみます。
私達の身体には、酵素があります。
酵素は、ある物質Aを効率よくBという物質に変えることができます。(A→B変換酵素と呼びましょう。)酵素は実はタンパク質でできています。
そして、
私達は体温を持っています。
大体、36度くらい。
さて、A→B変換酵素の仕事場に糖がたくさんあったら、どうなると思いますか?
体温という熱があるため、糖がA→B変換酵素にくっついて糖化(グリケーション)が起こってしまうのです。
そうしたらどうなるんでしたっけ?
そうです、
A→B変換酵素が別物に変わってしまうのです。
そうしたら、物質Aは物質Bに変わりません。
この人は、
物質B不足になります。
物質Bが不足する事で、
この人は体調不良や病気になってしまいます。
だから、
A→B変換酵素の仕事場には糖がたくさんいると困るので、身体は糖をあるものに変えて仕事場に入れないようにします。
身体は、糖を中性脂肪に変えて内臓脂肪、皮下脂肪、脂肪肝として一時的に糖を預けるのです。
この仕事をしているのが、インスリンです。
これは、あくまでも一時的なものなので、あまり長く預かり場所を使っていると、ストライキが起こります。
インスリンがいくら頑張っても、誰も糖を預かってくれなくなります。
その結果、
身体に糖が溢れてアチコチで糖化(グリケーション)が起こります。
こうなると、あらゆるタンパク質が別物に変わってしまい、身体は機能しなくなってしまいます。
これが有名な、糖尿病ですよね。
糖がくっついて役立たずになってしまった、
はみ出しものタンパク質は
糖化最終生成物と呼ばれます。
さて、これが大変厄介ものです。
これができてしまうと、
身体の外になかなか追い出せなくなり、
身体の中に溜まってしまい、
様々な悪さをします。
整形外科で一番問題なのは、
この糖化がコラーゲン繊維に起こりやすい
ということです。
前にも書いたように、
コラーゲン繊維はタンパク質です。
骨は全身にあり、
これが糖化(グリケーション)したら、
骨が弱くなり、骨折し易くなります。
実際に、骨は白いのですが、
高齢者の肋軟骨は
ホットケーキのような色になっています。
これは、骨にメイラード反応が起こっているという訳です。
最後に怖い現実をお話ししますね。
じつは、
糖化(グリケーション)を最も起こしやすいのは、
果糖なんです。
そうです、果物はキ・ケ・ンです。
糖が身体に悪い話、
なんとなくでも分かってくれれば幸いです。
では、また。