大人こそ本を読むべき! | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。

ある中学校の先生が、自分のクラスの子達に、僕のTEDxの映像を見せてくださり、

その後、子ども達の感想文と質問文を送ってくださいました。

 

いや。すごい文章能力。

中には、昔の僕のような字を書いてる子もいるのだけど、

それでも、文章としてはすばらしい。

間違いなく、このクラスの子達は、思考能力が高いです。

 

うれしいから、質問への答えも長くなるわけで・・・

でも、本当にうれしいです。

 

 

以前も書きましたが、思考は言語で行われています。

そして、言語は文章で表現されます。

ですから、文章が支離滅裂な人は、思考も支離滅裂です。

 

よくあるパターンは、解決すべき問題の分離ができていないケース。

困ったなあ、とか、心配だなあ、とか、不安だなあ、とか、

不愉快だ、とか、感情ばかりが先に立ってしまい、

肝心の現象については、時系列にもなっていないし、

主語も述語もないし、誰が誰にどうしたのかも、まったくわからない。

自動的に、問題も、どうしたいのかもわからない。

ただ、感情がぐるぐるしてる。

 

これでは、問題を解決するのは不可能です。

ただただ、不安や不愉快が増幅していくだけです。

 

まずは、問題を問題と認識することが大事です。

そして、その問題に対して影響力のあるプレイヤーを書き出すことが大事です。

そして、問題の元となっている事象を時系列に並べます。

その際に、憶測の情報やうわさ話と、事実とをしっかり切り分ける必要があります。

そうしてから、「で、最終的にどうしたいのか?」をしっかり明確にします。

このときに重要なのは、最終目標です。

間違えがちなのは、自分のプライドだったり、義務感だったりです。

そんなのどこかによけておいて、あるべき状態を考えます。

そうすれば、自動的に「だったらこうしてみたら?」がでてきます。

 

たとえば、僕らはリサイクル用のマグネットを全国に販売しています。

それが故障したとします。

すべきことは簡単です。

一番困ってるのはお客さんです。

なぜ困っているのか?

動いていたものが動かなくなったからです。

だっから、答えは、一刻も早く動くようにすることです。

しかし、人によっては、

「この故障はだれのせいなの?」

「故障の修理費用は誰が持つの?」

にばかりとらわれて、あーでもない、こーでもない、

あんたのせい、いやいや、おまえのせい、で、

時間ばかりどんどん過ぎていく、ということもあります。

 

いま、植松電機では、そういう対応をする方には、マグネットを扱ってもらっていません。

僕らと同じように、「お客さんの復旧第一」を目指す人にだけ、マグネットを扱っていただいています。

 

学校にいじめ問題がこじれるのも、似たパターンです。

肝心の子どもがつらい状態を改善する、ではなく、

だれのせい?誰の責任?の押し付け合いがどんどんエスカレートして、

「いった」「いわない」「やった」「やってない」がこんがらがって、

そこに、憶測とうわさが混ざり合って、

ついには、訴訟だの弁護士だのになって、そうなると、

もう、子どもの心配なんてどっかに消えてしまいます。

 

大人のそんな姿を見ていたら、子ども達は、

「大人には相談しない方がいいね」になります。

 

もしかしたら、そういう問題は、大人の言語能力に原因があるかもしれません。

だから、「最近の子どもは本を読まないのよねえ」なんて言ってるあなたはどうですか?です。

大人だって、ぜんぜん本読んでない人が沢山います。

大人も、本を読もう。ボキャブラリーを増やそう。