4/17(水)

今週の出走馬の想定を作るのに、勝浦正樹がいないと、寂しいし困る。

『困った時の勝浦』

がいないと・・・


先週、ドゥラメンテカップ(3勝クラス)を見事に逃げ切ったのは武豊騎手。

わしとは6年ぶりの口取りでした。


『武豊や横山典は乗せないんですか?』

と良く聞かれます。

横山典はセイウンスカイの主戦で皐月賞、菊花賞を勝って共に喜びあった仲。

乗せないわけはありません。


騎手を依頼する時のやり方を詳しく説明します。


騎手を決めるのは馬主と調教師の話合いで決まります。

100%馬主と調教師の話合いです。

どちらかが一方的に決めることはありません。


一般的に、調教師が

「○○オーナーこの馬は東京2日目の3Rを使いたいと思います。騎手は△△で行きたいと思います。」

それに対して馬主は

『了解しました。よろしくお願いします。』

これが馬主と調教師の話合いです。


馬主から

『先生、次のうちの馬は□□騎手乗せてください。私と相性がいいので。』

「わかりました。そのように手配します。」

これも馬主と調教師の話合いです。


息のあった馬主と調教師では、調教師の忖度で、馬主と相性の良い、勝ち運のある騎手を手配して馬主に報告します。


あと、所属騎手がいる場合は入厩の時点で騎手が決まっています。

(昭和50年代まではこれが一般的でした。)


「うちのあんちゃん(所属騎手)で行きますので。」

これはもう暗黙の了解です。


『先生(調教師)にお任せしますよ。』

これも立派な馬主と調教師の話合いです。


馬主と調教師が了解せずに騎乗依頼をすることはありません。


で、まず最近武豊騎手にわしが依頼しなかった理由。


かつては栗東で武豊の兄弟子、河内洋厩舎と武豊騎手を主戦にしていた浅見厩舎に西山茂行の馬はたくさんおり、武豊騎手でずいぶんと勝ちました。

リーチザクラウンも言うまでもなく武豊騎手でした。


そして2017年、もう7年前になりますか。

松田大作の代打騎乗で高松宮記念G Iを幸 英明騎手でセイウンコウセイが優勝しました。


これはもう【縁】としか言いようがありません。

勝ち祝い🍺、ゴルフコンペ⛳️、そして次走への作戦会議など、以来幸騎手とはしょっちゅう顔を合わせることになります。

となれば、次の馬も幸に「お願いします。」となります。


これが[馬が作る人の縁。]です。


西山茂行の関西馬に関しては、まず幸騎手にお願いします。どの調教師もそれは理解しています。

もちろん幸騎手にも先約や都合もあり断られることもよくあります。

『幸は先に乗り馬が決まっていました。○○騎手でどうでしょうか?』

と調教師から連絡が来て、それを断ることはありません。


ここがデリケートなところですが幸騎手に断られてから武豊に、はできません。

武豊にはまず1番最初に頼むのがレジェンドに対する礼儀です。


となれば幸ファーストになっている西山茂行の馬はつい武豊騎手からは遠ざかります。


しかし今回のセイウンプラチナは、前走原優介騎手が、叩いてハナに立ち逃げたのを見て

(武豊ならすんなり先頭に立つだろうな。)

と思ったわしは、新人・千葉直人調教師に、

『皐月賞の日だしいると思うからまず武豊に聞いてみてくれ。武豊がどう乗るか見てみたいので。』


そして千葉調教師より

「武豊さんのエージェントより乗れるそうです。」

『それはよかった。何か指示は出したか?』

「いえ、もう武豊さん任せです。」


実はセイウンプラチナは2歳時に一度札幌で武豊騎乗で、1番人気で8着。

そして今回は見事な逃げ切りで8番人気で1着。

借りをしっかり返してくれました。


しかし、ビデオを何度見返しても見事な逃げ切りです。


関東では今1番西山茂行との相性も勝ち縁もあるのが田辺裕信。

次に三浦皇成、内田博幸、大野拓弥。

この順で聞いて行きます。

そして最近勝ち縁のある永野猛蔵。


けっこう関東はたくさんいます。

そして武豊の時と同じですが、みんなに断られたから横山典に、とは頼めません。


その点・・みんなに断られた馬でも勝浦正樹は気持ちよく乗ってくれました。

クセの悪い馬、ゲートのでない馬はいるんです。

(困った時の勝浦。)

しかしそれがいなくなったから・・・

本当に困りますねー。


勝浦正樹引退の夜。

小さな慰労食事会。

「お前5鞍も乗せて、そのうち1番人気3つで未勝利かよ。」

わしが毒吐くと

『僕らしいでしょ。』

そしてそのあとは2人で殴りあい。

周りで見ている人たちは笑っているだけで誰も止めません。


もう勝浦の騎乗で泣いたり笑ったりすることはありませんが、また違う付き合いのスタートかな。