3/30(土)


最初の一報は3/28(木)の夜だった。


19:00会社で花見宴会中。

(まだ蕾状態ながらも26人での小宴は例年の如く)


「アロースタッドより、リーチザクラウン疝痛(腹痛た)です。様子がおかしいので三石の診療所へ連れて行くようです。」

と北海道西山牧場の山田研児場長よりLINEが来た。


この時点では、よくある腹痛程度に思っていた。


二次会の赤坂の行きつけのバーで、友人のアナウンサー山本潤ちゃんたちと静かに飲んでいたら、山田からのLINEが相次いで来た。


「肺に水が溜まって結構危険な状況との事。これから麻酔をして手術をしますが、耐えられず死亡する可能性もあるとの事。ただ助かる可能性もあるので、手術します。」


なんかえらいことになっているようだ。

しかし、どうすることもできない。

酔いも醒めたままその夜は早めにお積りとした。


3/29(金)

早朝起きると、山田研児からのLINEがたくさん入っていた。


深夜に麻酔をして、手術をしたとの報告。


「今、覚醒を待っている状況ですが、呼吸が荒く、鼻から液状のものが流れ出ています。このまま覚醒しないか、覚醒したとしても状況としてはかなり厳しいとの事です。」


あ、これはダメか。しかし、急な話だ。

18歳は人間で言うと70~75歳か。


そう思ったら、リーチザクラウンとのいろいろな想い出が蘇ってきた。


8:00に三石の診療所に駆けつけた西山牧場の鉛口恭司より、写真や動画が送られてきた。


「状態は極めて厳しいです。肺に水が溜まっている状況で苦しいようです。少し前に打った痛み止めも利きません。」


9:25鉛口恭司より、「獣医の判断で安楽死となります。」

と連絡。


9:30「臨終です。」


正直に言ってどうしようもなかった。


『鉛口、獣医に丁重にお礼を言ってくれ。』

「わかりました。」


それ以上の会話もなく。


現在リーチザクラウンは1/2西山牧場と1/2社台スタリオンの所有。

繋養はアロースタッド。


いろんな人の想いの詰まった馬でした。

18歳はまだちょっと早い。


実はこれもこうなったら書くけど、昨年から受胎率が落ちていました。

今年の西山牧場繁殖65頭の交配を考える上で、リーチザクラウン不受胎の場合、と言うのも想定に入れての配合をしました。


しかし昨年のクラウンプライドとアーテルアストレアの活躍で、人気は上がっており、なんとかもう一年今年だけでも、とアロースタッドさんと獣医とで今年の種付けを頑張っている途中でした。


父のスペシャルウィークとわしのセイウンスカイとの名勝負数え歌。

スペシャルウィークはダービーと天皇賞を勝ち、セイウンスカイは皐月賞と菊花賞を勝利。

素晴らしいライバルだった。

でも、セイウンスカイが負けたけど最高の勝負は2頭のマッチレースとなった弥生賞です。


そしてそのスペシャルウィークの子、リーチザクラウンが縁あって西山茂行のところへ来た。


この舞台裏はこのブログの12~13年前にどこか詳しく書いていますので、探してください。

(そのうち時間を作ってまた書きますが。)


そして西山茂行のプライベート種牡馬に。


すると産駒が大活躍で社台スタリオンステーションへ。


吉田照哉さんとはこの馬の話題でずいぶんと話をしました。


のちにアロースタッドへ移ってからも西山牧場の主戦種牡馬としては変わらずに活躍してくれました。

アーモンドアイを新馬で負かしたニシノウララもリーチザクラウンの子でした。


まだデビュー前の2歳馬、1歳馬、当歳馬、そして3頭種付けを完了した最後の腹入り。

期待の忘れ形見はたくさんいます。


夢はまだまだ続きます。


とりあえず、リーチザクラウン死亡の報告でした。


この馬から学んだこと多数。


ありがとうございました。


この写真を載せるのもどうかと思うけど、リーチザクラウン最後の闘病中の写真です。