【第8回読書会】引頭 麻実著『JAL再生―高収益企業への転換 』 | 働きながら!公認会計士試験勉強ブログ⇒8年後は世界へ!

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経理(派遣)の仕事をしながら、2012年公認会計士試験に合格しました。
2013年2月から事業会社の経理職として勤務しています。

今日の読書会は、新人君が下記の本を発表しました。


3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 (ちくま新書)/筑摩書房
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本著の「転職を繰り返す若者」とは、
大したスキルも身につかないのに、「これは自分のやる仕事ではない!」と会社を辞めてしまうダメな人ではなくて、
いわゆる日本的企業の枠にはまらない、外資系企業を転々とするような若者のことのようです。


いわゆる日本的企業に染まってしまった人は、
会社のブランドにおんぶされ、広く浅く仕事をしてきたので、
外資系企業の人事からすると「会社のことはよく分かっているけど、専門的なスキルがないので採用できない」そうです。


私も以前、複数の転職エージェントの面談に言ったら、
日本の転職エージェントは、「どこの企業で、どの職種で何年働いたか」が重視されていた気がしたのに対して、
外資系の転職エージェントは、単刀直入に「君は何ができるの?次の会社でどんなスキルを身に着けたいの」(←英語)と聞かれ、何もスキルが身についていない上に、身に着けたいスキルについて真剣に考えてこなかった自分に気づいて唖然としたのを覚えています。


いわゆる大手企業でも、いつ倒産したり、合併されたりするか分からない。
「どんなスキルを身につけれるか」という視点で仕事をしていこう、とみんなで結論付けました・・・・。


<備忘記録>

JAL再生―高収益企業への転換/日本経済新聞出版社
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●2002年から2008年度まで7期中4期は連結最終利益(当期純利益)赤字計上、2010年1月19日2兆円の負債を抱えて経営破綻、2月20日上場廃止

→その後、2011年度決算・営業利益2049億円
2年8か月で再上場を果たす(史上最短:それまでの記録は7年)
→そのうち400億円の増益が原因不明!?



●破綻前JALの問題点と解決方法、その結果

【以前のJAL】
官僚主義的、殿様商売、マニュアル主義、どんぶり勘定
ある経営幹部「破綻の原因は、財務的な問題だと思っていたが、違った」


【経営基盤の課題】
1.価値観の共有ができていない
→リーダー教育、業績報告会、企業理念、JALフィロソフィーとその勉強会、コンパ
2.現場の経営参加意識が乏しい
→部門別採算制度(路線ごとに必応なコスト、どのくらいお客様にご利用いただくと採算がとれるのかなどが見え、採算確保に向けてどのような手を打っていけばよいのかという行動がとれる)、経営情報の即時開示(以前は連結の経営情報が出るまで3か月かかった)、社員からの提案登用
3.経営と現場に距離感がある
→垣根を超えたJALフィロソフィー勉強会、経営幹部による現場とのコミュニケーション(役員の藤田氏「現場に一番近い役員になる」、多忙なスケジュールの合間を縫って毎週末、羽田空港や成田空港を訪れて搭乗口に立つ)、経営情報の開示


【現場の課題】
1.顧客視点に立っていない
→マニュアルに頼らない行動、間接部門での最終顧客を意識した行動、生身のお客様に対する意識、JALフィロソフィーex.カスタマーサービス、東北大震災での2700本の臨時便
2.現場のリーダーシップ不在
→JALフィロソフィー、ひと手間かける工夫
3.横のリーダーシップ不在
→JALフィロソフィーとその勉強会、自部門ではなく全社的視点をもつ


≪参考≫
【JALグループ企業理念】
JALグループは、全社員の物心両面の幸福を追求し、
1.お客さまに最高のサービスを提供します。
2.企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献します。

【JALフィロソフィー】
1.素晴らしい人生を送るために(全4章15項目)
2.素晴らしいJALとなるために(全5章25項目)