今回は、多発性嚢胞腎と尿管結石、腎臓結石に罹患している我が家の兄猫の食事について書かせていただこうと思う。


現在、多発性嚢胞腎については、トルバプタンとラプロス、サプリのアゾディルで治療を行い、結石については、ウラリットでph調整することで、結石の形成を防いでいる。また、結石はウェットフード食に変えるだけでも形成を防ぐことができるといわれている。なので、トルバプタン治療の利尿効果で脱水を防ぐためにも、さらに結石予防のためにもウェットフードは総合栄養食以外にもたくさん取り入れるようにしている。


おやつは控えめにと、基本はそうなのだろう。が、病に罹患している場合で、水分を必要とされる場合、ベースに総合栄養食を与えることはもちろんだが、間食のウェットフードは肥満以上に意味を持つと思われる。もちろん肥満も様々な病気の原因になりかねないので、おすすめはしない。が、水分摂取のためには重要だと考えている。腎臓に病を持つと、最終的には食事ができず痩せ細って亡くなることがほとんどだ。そういう点からも体力温存は、予後にも影響を与えるものだと思っている。かかりつけ医も腎臓の悪い子は、少し太めの方が良いとおっしゃっている理由がそこにある。


そんな中、どんな食事をさせたらいいのか悩む方も多いと思われる。参考までに兄猫の食事をご紹介させていただこうと思う。


食事を決める前に、必要な検査が、富士フイルムのFGF23という血液検査だ。これは、血中リン濃度を調べる検査となっており、リン成分を下げたごはんが必要かどうかの判断基準となる。よって、この検査に問題がなければ、腎臓専用のごはんは必要なく、逆に問題が出てしまった場合には、有無を言わさず腎臓専用ごはんに切り替える必要がある。


幸い、兄猫はまだFGF23の数値には問題がなく、通常食を食べている。本来であれば石専用のごはんを与えた方が良いのだが、試行錯誤してみたが、結局どのメーカーのドライもウェットも口に合わず、痩せていってしまうくらいならば、普通食でということでの選択だ。


もちろん石対策としての薬は欠かせない。

関東の多発性嚢胞腎の治療実績のある先生は、多発性嚢胞腎と結石を併発してる場合、腎臓専用食と結石のサプリを併用するとおっしゃられていた。

なので、ベストはひとつではないということで、その子その子にあった食事を、その子の状態を見て変えていく必要があると思われる。そこは飼い主の重要な判断となる。


現在、症状が安定し、食欲もある兄猫の食事は下記の通りだ。

<ドライフード>



ちなみに、ドライフードは、酸化と香りの劣化を防ぐため、1番小さなサイズ500gを購入し、さらに開封時にジップロックSサイズに3〜4袋分けし、密封後、蓋のある缶の中で光を遮断して保管している。人間でも、一度開封したスナック菓子などをひと月間食べ続けられるだろうか?香りも落ち、湿気って美味しくないのは猫も同じだと思われる。


<総合栄養食ウェットフード>







<水分補給用(間食)>

結石にあまり良くないと思われるカツオやエビなどがつかわれているものは、極力さけてはいるが、同様にしらすも避けたいところだが、大好きなのでいずれ食べられなくなる時がくるので、食べられるうちは注意しながら与えている。生きている喜びまで奪うのは酷というものだ。もちろんこれは、飼い主さんの考え方なので、病気のために悪いものは全て排除という考え方もあると思う。


余談になるが、私の父は病気で余命宣告通り3ヶ月という短い間でこの世を去った。その間、治療で元気になることを信じて、徹底した食事制限や辛い治療に耐えてきた。しかし、病には勝てなかった。後になって後悔したことは、最後ぐらい好きなものを食べさせてあげたかったということだ。正月に家族で寿司を囲んだ時に、生物を食べられなかった父は、とても残念そうだった。そういった経験から、私は我慢に我慢を重ねて数日の命を伸ばすよりも、元気な時間を楽しく過ごして欲しいという考えから、今のような食事のスタイルとなっている。よって、この食事が病気に良い食事なのかといわれれば、100%良い食事とは言い難い故、あくまでも参考までとして欲しい。









以前は、動物病院用ペッツセレクション犬猫用水分補完食やメディファス腎臓ケアシリーズ、アニモンダ腎臓食なども試してみたが、結局食べずじまい。健康も第一だが、食べてくれることが基本だと考えているので、あまり神経質になりすぎずに、喜んでくれるものを選んでいる。いずれ、自由に食べられなくなった場合には、嫌でも専用食のみとならざるを得ないのは理解しているので、せめてそれまでは、食の楽しみを堪能してもらいたいと思っている。